★°・.伊野尾さんの短編集。・.☆

夏祭り。 ページ38

「まだかなー……」



慧、遅いな。

もしかして忘れてる？

"花火見よ！？"って

慧が言ったくせに……









『……待った、よね。 ごめん！』



「あ……」




も〜、遅い！って言おうとしたけど


私の口は開いたままになってしまった。


紺色の浴衣……

似合ってる。


慌てて来てくれたんだなって分かる

少し汗ばんだ顔。




やっぱり、好きなんだなぁって

実感した。









ﾍﾞｼｯ！……＿＿





「痛いっ……！ 何するのっ？！」


突然慧が、おでこを人差し指で叩いてきた。


デコピン……


もうちょい、優しくしてくれてもいいじゃん。






『ぼーっとしてるから……、俺のせい？』




慧のせいだ。

慧が……遅いから。


待ちくたびれたから

ぼーっとしたんだ。






「そう、慧が悪い……」





違うんだよ、遅く来たから

とかじゃなくて。






『ごめん！……これ、』





私の前に差し出された


可愛いマスコット。




「なんで……？ 」




『だって、すごい欲しいって顔してたから。』








遅かったのは

私の欲しかったマスコットを

必死に取ろうとしてくれてたからだ。






『……遅かったのは、悪かった。』





「違うの、遅かったからじゃなくて……慧がかっこよかったからっ……」






まだ言い終わってないのに


私の身体は慧の腕に包まれた。





『……照れるから、それ以上言わないで？』







「ふふっ……分かった。」









これからもずっと



一緒にいたいと思った……＿＿＿＿＿






【おわり。】


.｡.:✽・ﾟ＋.｡.:✽・ﾟ＋.｡.:✽・ﾟ＋.｡.:✽・ﾟ＋.｡.:✽・ﾟ＋
作者です。


全然更新できず、すいません。



久々の更新です。



高校生活も充実してきました！

頑張ります。


読者さんも頑張ってください( *˙ω˙*)و ｸﾞｯ!

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