19(過去) ページ22
ある日、その日も俺と紫透は丘にいて、いつものように他愛もないおしゃべりをしていた。
紫透は俺に聞いてきた。
「どうして……僕がいるときに毎回、ショッピさんはここに来るの？」
俺は答えに迷った。
だってもう、ここに来るのが当たり前と化してきていたからだ。
それに―、
shp「俺、軍学校にいた時に、ここに来るのが好きだったから。」
紫透は黙って街を見ながら俺の話を聞く。
shp 「それに、紫透に会うの、俺も楽しいし―。」
紫透は嬉しそうに言った。
「ホント!?ショッピさん、私に会うの、楽しッ……」
紫透はハッとしたように口を閉じた。
―私？紫透の一人称は僕じゃなかったか？
「ごめん。ショッピさん。今のは……忘れて。」
shp「でも…」
「いいから、忘れてください。」
紫透は泣きそうな顔をして言い放った。
「だって……ショッピさんだって僕のこと、普通の学生だと思ってた方がいいでしょ？」
紫透はそのまま、丘を降りて行こうとした。
shp「待って。」
紫透の細い腕を、俺は強く掴む。
紫透の顔とその手がが真っ赤に染まる。
shp「いいから、紫透、話して。」
「いやです!!!」
紫透は泣きそうな顔をしている。
それでも構わずに俺は言った。
「その、紫透の辛そうな顔…見るの、俺も辛いんだ。
俺に話せば、楽になれない？」
紫透はあっけにとられた表情で、俺を見つめてる。
「ショッピさん、……じゃあ、ショッピさんなら……話すよ。」
紫透は俺に背を向けて座るとそのまま話し始めた。
「実は…、」
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作者名：ゆーな | 作成日時：2020年1月31日 18時
