【wrwrd】たった一つのフィクションを、【shp】 (ページ14)

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ここまで走ってきた。

正直倒れそうだったけど、私はここに来たかった。

不安だったから。

苦しかったから。

あの人と……好きな人と出会った場所。

軍学校の裏にあるちょっとした丘の一番上。

私はいつもここでこうして寝ていた。

高いところから見ていたあの人は、丘の上にいた私のもとへわざわざ来てくれた。

あの人はずっと走ってきてくれた。

走ってきたあの人が息を切らさず言った言葉。
「俺もここが好きなんだ。」

そう言ったあの人の目は輝いていてあの人は本当にきれいだった。

この丘には青と紫の綺麗なビオラがたくさん咲いている。

私はあの人と会うのが毎回楽しかった。

好きだった。

いつもあの人は笑って―。

私の意識は途切れていく。
私は夕日に包まれながら、泣きながらあの人の名前を呼んだ。

あの人が近くにいてくれるような気がした。