スマホ ページ5
「誰かコイツらを知らないか聞いてみよう!
Aとぐち逸を救うぞ!」
さっきころんだ警察の方が元気いっぱいにそう提案してくれる。
スマホを突き出してきたので、ぐち逸さんと並ぶ。
控えめなピースをしておくとパシャリと音がしてスマホをおろした。
「この人知ってますか?ってSNS載せてもいい?」
『いいですよ、俺は。』
「はい、俺もいいっすよ」
知ってる人からの情報なんて、宝箱の宝石たちよりも貴重だし。
こればっかりは許さないといけないかな。
『そう言えばお名前は…?』
「あ、僕は伊藤ぺいんです!」
「彼は黄金の風だな!
私はオルカだ!よろしくな!」
黄色のお面さんが伊藤さん。
青い髪の美女がオルカさん。
心にメモをしておいた。
『あ、俺家の場所わかれば帰りたいんすけど…』
するとオルカさんが目をまんまるにした。
伊藤さんもそこで固まる。
「スマホは…?」
「地図は…?」
『あ、そっか。』
『……うわぁ…バキバキ…』
粉々と化したケータイだったものらしき鉄の物体やチューブやらがポッケからボロボロと落ちていった。
それをさっと伊藤さんが拾い上げる。
『怪我しますよ』
「いや、内部のカードとかあれば新しいケータイ買ったとき便利かなって」
『そんなことまで…ありがとうございまs((「いっっっっっダァ!!!」
いわんこっちゃないですよ…』
俺も探します。と、かけらの中からそれらしきものをさぐる。
少しすると伊藤さんが立ち上がった。
「あ、あったァァァ!!!」
『ナイスです!!』
人差し指と親指で薄くて小さな物体をかかげる伊藤さん。
それを見て拍手をする俺。
さすが警察、といったところなのかな?
洞察力がすごいというか…
あんまりにも伊藤さんが嬉しそうにするから、ほっこりしてしまった。
『手、出してください
さっきスマホの欠片ぶっ刺さってましたよね?』
そう言えばそうだった!と叫び、右手を差し出してくる。
指に3個ほど小さいのが刺さっているので、慣れた手つきで抜いていき、何故かポッケに入っていた絆創膏を巻き付けた。
「ありがとうA!」
『どういたしまして、です。』
気づけば体が勝手に動いたというか、なんというか
記憶はなくても、筋肉は覚えてるってやつだと思う。
「じゃあスマホ買いに行こうか!
ぐち逸!A!」
水色の車を出してくれる伊藤さん。
ありがたく感じながら後部座席に座る俺でした。
192人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ