出あい ページ3
?視点
鳥野さんにへりに送ってもらったところで事故するなんて
もう少し修理したヘリで来てほしかったな
治療してもらうと、病院の入口まで連れて行かれた。
右腕についた松葉杖がとんでもなくうっとうしい。
ん?誰かいるな
病院の入口から出たところに、
灰色の髪の男性がいた。
見たことのないくらい、濁りという言葉がちっぽけ似合わない、
水のように透き通った、赤い瞳が黒い夜空を映していた。
どうも惹かれる…
「…」
『?』
こちらに気づいたのか、ぱっちりとした瞳と視線が合う。
驚いたような顔を一瞬だけすると、目を細めてやわらかい笑みをこちらに向けてきた。
一瞬にして俺はそいつに目を奪われてしまう。
はっと気づくと、周りにはいろいろな人が集まっていた。
ほんと、ついてねぇな…
ーーーーー
あなた視点
鳥野さんが飛びったあと、病院の辺りをうろつくが、
空気が俺の肺を凍らせたかように冷たくなる。
最初からついていた首のマフラーを頼りに、この寒さを乗り越えようとしていた。
まだかな…
〜それから数時間後〜
病院前に一つの救急ヘリが降りてきた。
「あの」
『あ、鳥野さん。』
帰ってきたもじゃもじゃ頭さんが唐突に何かを渡してくる。
「ご飯ね。」
『ほんとにいいんですか…!?』
ホットドック十個と、バナナスムージー十個を頂いた。
ここの街の食料どうやって手に入れるか迷ってたんだよね
優しい…!!!
あと、金髪でオレンジの角のような物を付けた人が患者さんらしき人を持って病院へ入っていったのが見えた。
「あ、ちょっとまってね警察呼んでくる」
『警察…?わかりました』
病院へ小走りで入っていった鳥野さんの背中を見守り、夜空を眺めていた。
綺麗
興味本位で数を数えていると、
「…」
『?』
うわぁ…きれいな人。
俺は一瞬にして目を奪われてしまった。
白髪に緑の毛が混じったセンター分けの髪に、綺麗な緑色の瞳。
シミ一つないきれいな肌で、180はありそうな身長。
一応挨拶代わりに笑顔を向けておく。
すると病院内からぞろぞろと人がやってきた。
緑色の髪の人
青い髪の人
さっきの金髪の人
あと鳥野さん。
「お前記憶失ってるんだってな!
大事件だ!」
『え!?ちょっと!?』
車に押し込められる俺。
先程の人が全員乗るもんだから、車内はぎゅうぎゅうだ。
ついてないなぁ…
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