白い少女、日常からの非日常 ページ3
「……遅い」
頬を膨らませながら不満気に零す少女の名はA
白い髪に日本人とは思えないほど白い肌
長い前髪から覗く目は血を透かしたように赤く
表情とは裏腹に不安気に揺れている
2LDKで一人で住むには些か広すぎる部屋の
リビングの中央にある大きなソファーの上に少女は居た
小さく丸まるように膝を抱え、服の裾を握る
現在時刻午後10時
同居人である彼女の帰宅時刻は午後6時
4時間もオーバーしている
Aの知る中で彼女は必ず…とは言い難いが大体の時間は守る
だが、ここまで遅れた事はない
「何か事件に巻き込まれたのか」
そう考えると背筋に抗い様のない悪寒を感じ、拳に力を入れる
あり得ない、と頭を左右に振り思考を散らす
彼女は強い、誰よりも
そんな彼女が誰かに負けるというのはAには考えられなかった
Aが不安に苛まれていると
ブブブブッブブブッ
ソファーの上に無造作に置かれたスマホが唸った
急な音にビクリと身体が跳ね
慌てながらもしっかりとスマホを掴む
ディスプレイを確認すると同居人である彼女からだった
無事である事が分かったAは胸を撫で下ろし、通話ボタンを押した
スマホを耳に当て、何か文句のh「Aーーー!!!」
……鼓膜が破れるかと思う程の大声に思わず耳からスマホを離す
「煩い、静かに「ゴメンねー!後始末に追われて帰れないよー。うわーん!」……」
Aは電波の向こうで泣き崩れているであろう彼女の姿が容易に想像出来た
ついでに、彼女に注意(という名の怒号)を浴びせているであろう苦労人の姿も
「……分かった」
「ううっゴメンね、もう寝てい「今すぐそっち行く」へ?」
先程遮られたお返しだと言わんばかりに遮ってやった
こう見えて結構根に持つタイプである
因み、只今の時刻は午後10時30分で外はネオンに照らされて明るいものの
子どもが出歩く時間ではない
だが、そんな事気にも留めない少女は外に出る為
上着に手を通していた
「え?こっちに来るの?やったー♪」
此方も此方で夜の街を僅か13歳の少女が出歩くというのに全く危惧していない
おおらかというべきか能天気というべきか
支度を終えた少女は電気を消し忘れは無いかと辺りを見渡し
問題ないと判断するとスマホを持ち、玄関へと歩き出す
そう、この時二人は気付かなかった
ーーAが重度のコミュ症である事を
外に出たのが6年以上も昔のことを
二人は気づかなかった
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夕闇(プロフ) - 了解です、有難うございます*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・* (2016年5月24日 22時) (レス) id: 589351cfa0 (このIDを非表示/違反報告)
konoha(プロフ) - 参加して下さりありがとうございます!見に来ました〜!これからも更新頑張って下さい!応援しています!あと、オリフラは外した方が良いですよ!;; (2016年5月24日 22時) (レス) id: 48215daa06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕闇 | 作成日時:2016年5月24日 0時