止まってくれません？【2j3j】 (ページ6)

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54話ページ6

二人ともグラスを持ってベランダに出た

「んで？なんでお前らが参加できてるわけ？生徒会？」

「まぁ、そんな感じです・・・・・」

イブラヒムさんはちらちらと会場の方を見ているが

ほとんどの視線は私に向けられている

「で、『貴族の花園』でお前らは何を手に入れたいわけ？」

「えっ、と」

「『貴族の花園』なんて自分の汚い欲を満たす場所でしかない

記者はネタになる貴族の恋愛動向、貴族は双方に都合がいいパトロン、主催者は

実質的な政治の流れを操り、監視し、信頼を得るため」

鋭い目付きで睨まれ口が思うように動かない

「そんな場所に、まっさかなんの目的もなく来たわけじゃないでしょ？ふわっちもいるしさぁ」

そんなん言えるもんなら言ってしまいたい

するとイブラヒムさんは鼻で笑うと

ベランダから出て行こうとしたが

「なにしようがお前らの勝手だけどそろそろ見回りが来る、『お叱り』を受けたくなかったら会場に

戻ったがいいんじゃない？」

そう言ってベランダから去っていった

さすがにベランダから出た瞬間に別れるのはまずいと思い

一息をつくき、グラスに入った水を飲み干し出ると

近くも遠くもない距離で

こちらに背を向けて不破さんが話しかけて来た

「・・・・・・パーティーが終わるんは舞踏が終わった後、軽食の足しがあって１時間程度で終わる」

そして周りを確認するとそっと茶色の髪の人を指差した

「舞踏がもうすぐはじまるけん、その人と組み。はよ行かんと別の人と組まれてしまうで」

と軽く私の背中を押し、そそくさと会場の隅の方へと歩いていった

心は重く、それでも不審に思われないように足取りは軽く

茶色の髪の人のところへ行くと」

栗色の瞳と目がすぐにあい

軽く会釈をし

「一緒に踊っていただけないでしょうか・・・・・・」

「お任せください！」

とものすごくいい笑顔で返答がきたので少し安心したところで豪華な楽器の音が鳴り始めた