【luz】偽りの画面@本当の私2 (ページ2)

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Aside

目が覚めると薄暗く狭い部屋に両腕を後ろで拘束されていた。

兄貴(不良)｢目が覚めた？｣

｢…ここどこ…？｣

兄貴｢ここはねー、町から離れた古びた工場の中だよー｣

男1｢山ん中だから大声出しても誰にも聞こえねーぜ｣

｢あんたたち何したか分かってんの？
誘拐よ｣

兄貴｢おーおー、強気だねぇ｣

くそ、身動きが取れない…。

｢何が目的？お金ならないわよ｣

兄貴｢別に金なんかいらねーよ、ただちょーっとお仕置きしようかなって思ってだけ。

俺の可愛い後輩ちゃん達をいじめてくれちゃってさー｣

｢道でぶつかっただけで大騒ぎするからよ｣

兄貴｢ふっ、随分余裕じゃねぇか。
怖くねぇのか？｣

｢怖いと思う理由がないからね｣

私がそう言ったら爆笑しだした。

なんかおかしなこと言った？

｢ていうか腕痛いんだけど。
逃げたりしないから、拘束解いてくれない？｣

兄貴｢いいだろう｣

男2｢え、いいんすか！？｣

兄貴｢あぁ、よく見たら可愛い顔してるしな｣

今のは聞かなかったことにしよう。

別に照れてるとかそんなわけじゃないし←

あれっ…そういえば携帯……。

卵と醤油と一緒に置いてきちゃった……ﾔﾊﾞ…。

兄貴｢きっと両親心配してるだろうな｣

｢…両親なんていないわよ…｣

兄貴｢…そりゃ悪いことを言ったな、お嬢ちゃん｣

｢…別に｣

正直、両親のことなんてどうでもよかった。

なんでこんな時にluzくんの顔が浮かぶんだろ…。

きっと、助けになんて来ない。

場所だって分からないし、私のことなんてどうでもいいだろう。

兄貴｢ほら水飲めよ｣

｢…どうも｣

受け取った水はなんだか苦い味がした。