及川さん、付き合ってください！愛情はいらないので、肩書きだけでいいんで！！

episode*24 ページ24

及川｢今日…






楽しくなかった？｣






退園し、手を繋いで夜道を歩く。






｢…え？｣





遊園地のイルミネーションが徹さんを照らす。





及川｢なんか…あんまり楽しそうじゃなかったから｣


｢そんなことないですよ！本当に楽しかったです！｣


及川｢そう…？｣


｢……すみません。


実は、考え事してたんです｣


及川｢…どんな？｣





暗くてよく見えないけど、きっと優しい顔をしてるんだろうなぁ





｢肩書きだけでいいから付き合ってとか図々しかったな…とか、徹さん、本当は無理してるんじゃないかな？とか…色々…


考えれば考えるほど、罪悪感でいっぱいで…｣





頬が暖かいもので包まれる。




及川｢無理なんかしてないし、Aちゃんと居るのが楽しいって心から思ってる。

確かに、最初はめちゃくちゃな人だなって思ったよ？でも、今はそんなこと関係ない｣


｢…ありがとうございます｣





少しはにかむと、しばらく見つめあった。





何故か、目が離せない…。





それから徹さんとの距離が少しずつ近くなってきた。




｢え…あ、あのっ…徹さんっ？｣


及川｢え…っあぁ！ごめん！！｣





キス…されようとした？




｢あのっ！…いいですよ、キスしても。
“一応”付き合ってるんですし｣


及川｢だめだよっ！
“一応”付き合ってたとしても、そういうことしていいって訳にはならないからね…。

それにAちゃん、ファーストキスでしょ？
初めては本当に好きな人に取っときなさい！｣






勇気出して言ったのに…


なんか説教された。

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