102.かぞく1 ページ6
沖田隊長が新八くんの文通相手とデートに行く日。
俺にも重大な任務があった。
｢忙しいのにすみません…｣
とAさんは申し訳なさそうに言う
『いえ、Aさんの護衛も立派な任務ですから！』
と言うとAさんは優しい笑顔をこちらに向け、
ありがとうございます
と言った
なんでこんなに優しい人があんなサディスティックの化身みたいな人と付き合っているのかは、たまに疑問に思うことがある。
行き先は墓地
俺とAさんはお花とお線香を持ち
［九重家］
と書かれた墓まで行く。
ここにはAさんの御両親とご兄弟が眠っているそうだ。
綺麗に管理されたお墓を見てAさんは忙しい任務の中こまめに来ていた事がうかがえた。
花を添え、線香に火をつけ手を合わせる。
強い意志を感じるその横顔をみて、俺も慌てて手を合わせる。
Aさんが閉じていた目をそっと開きこちらを向くと、
次の場所に向かいましょう
と墓地を後にした。
『そんなに急がなくても大丈夫ですよ』
と声をかけると
｢いえ、これ以上いると感傷に浸ってしまいそうなので｣
と悲しげに微笑み歩くスピードを上げた。
ｶｧｶｧと青空に1匹の鴉が飛ぶ
｢要！｣
とAさんが呼ぶと肩まで降りてくる
｢そろそろ着きますね｣
と言うとそこには、個人の家としてはかなり大きい立派な屋敷があった。
そして門前には黄色い紙に毛先だけが赤く、大きく開かれた目
『あ、煉獄杏寿郎、にしては小さい…？』
と俺が呟くと、
ミニ煉獄杏寿郎がこちらを振り向き満面の笑みを浮かべる
｢Aさんお待ちしておりました！えっと、そちらは真選組の方ですね、お話はお伺いしております。煉獄杏寿郎が弟、千寿郎と申します｣
と年端も行かない少年が丁寧に挨拶してくれる
『え、あ、真選組監察の山崎退です。Aさんの護衛でご一緒しました。』
とこちらも挨拶を返すと
では、こちらに、と屋敷の中へと案内された。
客間に入り千寿郎くんがお茶を出してくれる。
すると、襖が開き男性が1人入ってきた。
｢慎寿郎様御無沙汰しております。｣
とAさんが頭を下げる。
｢あぁ、A、久しいな｣
と慎寿郎と名乗る男性が口を開く
……ってｵｨｨｨｨｨ！！！DNA強すぎだろぉぉぉぉぉぉ！
千寿郎、慎寿郎、杏寿郎と言いみんな同じ顔じゃねぇえか、
マトリョーシカだよ！生きるマトリョーシカだよ！ロシアから来たんですかコノヤロー！！
抑えろ山崎退、ここは明らかに良家、粗相なんて犯せないぞ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トマトマト | 作成日時：2021年12月5日 15時
