検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:3,330 hit

98.ラブコメ ページ2

心地いい重みで目が覚める。
白い天井、薬品臭い空気。

『病院かィ』
と体を起こそうとする

『いってぇ…なんでい、これ』
胸板から腹に向かって巻かれた包帯、頭もズキズキする。

「起きたか…」
横を見ると

『なんで土方さんなんでィ。そこはAの可愛い顔があるべきでしょう?可愛い彼女が俺の手を握りながら涙流して俺の意識が戻るのを待つのがラブコメの常套手段ってもんでさァ。』

「ってめ…悪かったな土方さんで。Aならそっちだよ」
と背後を指さす

そこには同じく包帯に巻かれたAが眠っていた。

「ったく、2人してどっか行っちまうから戦場で逢い引きでもしてんのかと思ったわ。」
と土方はタバコをふかす

『んな訳ねぇでしょう。いくら色々我慢しててもそんな趣味の悪ぃこのしやせんよ。』
と言うと土方はフッと笑った。

そして、喜べ総悟、と話し始めた。
「Aはこれから真選組で保護する。これは産屋敷家からの依頼だ。今、人を鬼化させる薬を持っているのは春雨。そんでもってその第七師団の団長にAが目ェつけられてんだ。しばらくAは鬼狩りも禁止。外に出る時にゃぁ真選組も同行する。」
土方はそこまで言い、フーと一息つくと再び口を開く

「今までの生活とそう変わりはしねぇ。Aも総悟の傍に居られるならと、話を飲んだ。」

ちゃんと護ってやれよ
と俺の肩に手をおき、土方は病室を後にした。

俺は横を見る
そこには陽の光に照らされるAの寝姿が規則正しい呼吸をしていた。

生きている。
Aも、俺も。

気づくと俺は涙を流していた。

99.日常→←97.手



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:トマトマト | 作成日時:2021年12月5日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。