七瀬遥の…(男主)

プロローグ ページ2

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「お母さん、お父さん。おれ、一人暮らしする。2人の反対は聞かないから」









俺、七瀬Aは海が、水が、塩素の香りが。とてつもなく好きだ。








スイミングスクールにいた時はそれはそれは、天国のようだった。








少ししかいれなかったけれど、4人の友達も出来た。







見知った顔が一人いると思ったら、親戚の七瀬遥だ。









性格と、マイペースな所と、とにかく波長が合った。








1番共感出来たのは…水。俺は海が。好きだという事。









小学四年生の時に大阪に引っ越して。








大阪には海があるけど、全然距離がある。近く無い。








それに、小中と大阪にいたけれど水風呂かプールしか無くて。









小学生と中学生のお駄賃じゃ片道の電車賃しか無かったから行けなかった。









泳げれば良いと思っていた。思っていたんだけど人間は欲張りなモノで。









ついに我慢の限界に来た高校2年生の春。









「岩鳶に行くよ。あそこには…あいつがいるし、大丈夫。心配せんでええよ」









不安そうな顔をした母親、不機嫌な父親。









でも俺は行く。海を求めて…。

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