86話 ページ36
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年下は苦手やった。
なんだかんだ我儘やし俺がしっかりせなって思うのが疲れてくるし。
いつまでも“甘えたい”より“甘やかしたい”が強くなるのは1人だけ。
追いかけられると冷めるタイプやった。
こっちからガンガンアピールしたいし尽くしたい。
「好き」って言われないと物足りなくなったのは彼女のせい。
もうずっと他の子なんか目に入っとらんのやけど、そっちこそいつになったら気付くん？
「いい加減自覚しいや」
『……なにを？』
「俺に愛されとる自覚。足りないんちゃう？」
むぎゅ、と軽くつまんだ頬をほんの少し伸ばしてやると「ひゃめて」って珍しく不機嫌で。
それすらも可愛いから不思議やな。
溺愛するタイプちゃうかってんけど、今なら小島の気持ちもわかる気がする。
俺の全てで守ってやりたいし、皆に自慢したいようで俺だけが知ってたいような複雑な感覚。
とにかく可愛い。それに尽きんねん。
「あ、ちょお赤くなった」
『誠也くんのせいでしょ、もお！』
引っ張った方の頬をおさえる彼女やけど、残念ながら赤いのは両方やでって。
気付いてないみたいやから黙っといたろ。
けどまぁおさえてる方が赤くなったのは俺のせいでもあるわけやし。
ごめん、の意味を込めて手のひらにちゅーすると、結局あっという間にどっちの頬も赤みを増してしまった。
わかりやすくて可愛いやつ。
「なぁ今日泊まってもええ？」
『やだって言ったらどーするの』
「大人しく帰るだけやで。ちゃんとおやすみってLINEもするし」
『……じゃあいいよって言ったら？」
「んーせやなぁ」
まだ不機嫌そうな雰囲気を醸し出すも瞳にはどこか期待を滲ませている彼女に、思わず顔がにやける。
あー、かっわい。全部丸わかり。
「何してほしい？」
あえて聞くと途端に唇を
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作者名：ゆの | 作成日時：2023年1月28日 4時
