やっぱり手強い彼 (ページ4)

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54話ページ4

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『お疲れ様！』

西畑「おー、Aやん。差し入れ美味しかったで」

『ほんと？望のおすすめだからハズレはないと思ってた。笑』

西畑「ちなみに誠也くんなら向こうで丈くんたちと一緒」

聞いてないのに教えてくるあたりがもう魂胆バレバレ。
みんなに会いにきたの、って言ってもニヤニヤしながら適当に流されてしまう。
付き合いの長さって時に不便だ……

重「お前やっぱわかりやすすぎんねんって。笑」

『……うっさいし』

小島「あ、Aと重岡くんや」

福「お疲れ様です！」

大晴のことを気に入ってるしげは当たり前のようにそっちを構い倒してて。
自然な流れで私はこじけんと話すことになる。

小島「どやった？」

『こじけんがアイドルしてたなぁって。笑』

小島「はぁー？俺いっつもアイドルやっちゅーの」

『うそうそ、かっこよかったよ。笑』

笑いながら言われても、って不機嫌そうに唇を尖らせたこじけんは珍しく可愛げのある後輩で。
いつもはあんまりやらないけど、今日は何となく頭を撫でてあげた。

西村「あー！ Aちゃんおる！！」

小島「うっさいの来たで」

『そんなこと言わないの』

西村「えー俺も頭撫でられたい！」

そう言って頭を差し出してくる拓哉はもうめちゃくちゃ可愛い。
お疲れ様の意味も込めて同じように撫でてあげるとキラキラの笑顔で「ありがとうございます！」なんて言ってくれて、こっちが嬉しくなっちゃった。

『拓哉は小島と違って素直で可愛いねぇ』

小島「おいこら、こじけんやろ」

『え、そこ？』

西村「小島くんって案外Aちゃんのこと好きっすよね〜」

そんなんちゃう。やめろや。しばくぞ。

早口でそう言いながら、逃げる拓哉を追っかけ始める。
照れ隠しなんだろうなぁって微笑ましく見守っていると、ぐいっ、と腕を引かれた。

末「……ちょおこっち」

待ち望んでいた彼は、眉間に少し皺を寄せ、複雑な顔をしていた。