72話 ページ22
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小「なぁなぁ、Aが末澤のこと……」
『わぁー！！ ばかっ、ほんと言ったら嫌いになるからね！』
小「え！？ それは無理やねんけど！！」
「……なんやねんこれ。笑」
座ってる俺を囲むみたいにわたわたと騒がしい2人を見て、周りと一緒になって苦笑を溢す。
年下組が珍しいものを目撃したみたいにきょとんとしてるのは、たぶんAが年上ぶってるとこばっか見せてきたからやろうなぁ。
WESTさんとおるときの彼女はいつもより幼くて、自由で、そんで……素を出している気がする。
それが昔から気に食わなかったんやなって。
気付いたんは最近やけど。
「A」
脚の間をぽんぽん、と叩くと、途端に身体が固まる。
嫌がってるわけちゃうってのは、彼女のほんのり染まった頬を見れば一目瞭然やった。
『えと、あの……』
「A、ここ座り」
『や、でも、』
「はよおいで」
躊躇している彼女を急かすようにまた叩くと、ようやく俺が引かへんってことを察したのか、おずおずと縮こまって座り込む。
ちょこん、ってしてんのも可愛いんやけど、もうちょい近くてもええんちゃうかなって。
『〜っ、！？』
「ほんで、小瀧は何の話しに来たん？」
お腹のあたりに回した腕でぐっと距離をなくすと、彼女は声にならない悲鳴を上げた。
けどそんなん知らん。俺はくっつきたいもん。
小「……なんかお前ら見てたらどーでもよくなったわ」
草「すぐマウント取るのやめときや。嫌われんで」
「はぁ？ 別に取ってへんし」
藤原「無自覚こわ〜」
何がやねん。
ちらり、と彼女の反応を伺うと思いがけず目が合った。
恥ずかしそうにはにかむ姿も可愛くて、ふわりと香る香水と彼女の甘い匂いが余計に心臓を煽ってくる。
……ちゅーしたらさすがに怒られんで、俺。
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作者名：ゆの | 作成日時：2023年1月28日 4時
