6話 ページ6
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彼の発した言葉は簡単なものだったはずなのに、私にはまったく理解できない難しいもので。
わたわたと無駄に手や視線を動かしている私を見て、彼はやっぱりまた楽しそうに笑った。
末「やって俺疲れたんやもん」
『え、や、えぇ、？』
「もーらい」
そう言ってあっという間に私の膝は陣取られた。
ピシリと固まった私のことなんて無視して、ニンマリと笑みを口角に浮かべる。
イタズラが成功したみたいな顔。
可愛い、憎い、でも……好き。
末「ふはっ、Aちゃんいちごみたいやん」
『ううぅ……小悪魔めえぇぇ……』
末「なんでやねん。笑」
自分の頬に手のひらを添えると、熱くなっているのがわかる。
そりゃそうだ。好きな人に膝枕できる機会なんてそうそうこないんだから。
まつげ……長いなぁ。
肌も綺麗。
金髪もすっごく似合っててかっこいい。
『……すき』
いつものように、気持ちが口からこぼれた。
だけどいつもと違うのは、彼が唇を尖らせたこと。
末「好きなんは、歌だけちゃうの？」
拗ねた声に、思わずきょとんとしてしまう。
『……歌？』
末「さっき言うとったやん。俺の歌声が好きって」
末くん、全然わかってない。
『歌声“も”好きなの』
わざとらしく強調して、今度は私が唇を尖らせる。
そしたら彼は満足そうに、顔を綻ばせた。
……あ、これはやられた。
『わざと、』
末「せや、俺の頭も撫でてや」
『え？』
末「早く」
優しく掴まれた手首に、きゅんとする。
小さいとか弄られまくってても、やっぱり男の子だ。
指はちょっとゴツゴツしてるし手首は余裕で包み込まれちゃってるし。
どうか、心臓の音が伝わりませんように。
そう願いながら恐る恐る頭を撫でると、彼は気持ちよさそうに目を細めた。
今、この瞬間が幸せなら、それでいい。
今日も答えがもらえなかった事実は、そっと胸の奥に仕舞い込んだ。
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ゆの(プロフ) - oshige127さん» 何回も読んでもらえるの嬉しいです😊 デレ期到来…ですかね♡ 甘々な2人の関係を乞うご期待です！ (2022年11月24日 21時) (
レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
oshige127(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませていただいてます！なんなら何回も読み返してます！最近の末くんのデレデレ具合はなんなんですか〜（笑）一生のお願い真剣に考えます！笑 (2022年11月24日 10時) (レス) id: c6522ef373 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» ぜひ何回でも！毎回とっても嬉しいです♡ (2022年10月14日 2時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
3(プロフ) - 何回もコメントすみません！めっちゃわかります焦ったい感じがたまらないんですよね楽しみにしてます！！ (2022年10月13日 13時) (レス) id: 050b62ae5b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» 第三者目線だと「はよくっつけや！！」ですが当人たちには全く伝わっていない感じが好きでして。笑 もうしばらく皆さまにはもだもだしてもらいます。笑 コメントありがとうございました！ (2022年10月13日 3時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆの | 作成日時：2022年7月17日 2時
