50話 ページ50
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最近あったお仕事とか、メンバーのこととか、気になってるカフェだとか。
ひとしきり話終わると、ふと狭い空間で沈黙が流れる。
聞こえてくるのは外を流れる風と揺れる箱の音だけ。
だけどそれはすぐに破られた。
末「なぁ隣いってもええ？」
いつもより落ち着いた声が胸を擽る。
「うん」って答えると、彼はなるべく揺らさないようにゆっくりと私の隣に座り直した。
末「手も繋ぎたいんやけど」
『……いい、よ』
するり、と指が絡められる。
自然な流れで、いつも通りみたいに。
……やっぱ、女の子に慣れてるんだろうなぁ。
末「なんか他のこと考えてるやろ」
『え？』
末「俺とおるんやから俺のことだけ考えてや」
拗ねたような表情で覗き込まれ、心臓が騒がしい。
誠也くんのことしか考えてないのに。
いつだって私の真ん中は誠也くんなのに。
私だって他の人を好きになった方が楽だってわかってる。
それでも“恋”は理屈じゃないから。
落とされちゃったんだから、しょうがない。
『誠也くん』
末「なに？」
『……だいすき』
＊＊＊
確実に彼女に惹かれている自分がいた。
他のやつには渡したくなくて、俺にだけ“好き”を向けてほしくて、愛しくて。
“恋”やって言われたらそうなんかもしれん。
けどもうちょい。もうちょいだけ確信がほしい。
「……ん。ありがと」
俺の返事に、彼女はいつものように少し悲しげに微笑む。
そんな顔させたいわけちゃうくて、思わずぎゅっと握る手に力を込めた。
いつからやろ。
Aと会うときは指輪をせえへんくなった。気分で変えてた香水は彼女のお気に入りだけつけるようになった。会える日が、待ち遠しくて仕方なくなった。
「……嫌やったら振り解いてな」
俺より小さな身体を、腕の中に閉じ込める。
一瞬びくりと驚いた様子やった彼女はおずおずと俺の背中に手を回し、弱々しく服を掴んできた。
……ほんま、可愛すぎやって。俺のことどうしたいん。
2人分の心音は観覧車が地上に近付くまでずっと鳴り響いていた。
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ゆの(プロフ) - oshige127さん» 何回も読んでもらえるの嬉しいです😊 デレ期到来…ですかね♡ 甘々な2人の関係を乞うご期待です！ (2022年11月24日 21時) (
レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
oshige127(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませていただいてます！なんなら何回も読み返してます！最近の末くんのデレデレ具合はなんなんですか〜（笑）一生のお願い真剣に考えます！笑 (2022年11月24日 10時) (レス) id: c6522ef373 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» ぜひ何回でも！毎回とっても嬉しいです♡ (2022年10月14日 2時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
3(プロフ) - 何回もコメントすみません！めっちゃわかります焦ったい感じがたまらないんですよね楽しみにしてます！！ (2022年10月13日 13時) (レス) id: 050b62ae5b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» 第三者目線だと「はよくっつけや！！」ですが当人たちには全く伝わっていない感じが好きでして。笑 もうしばらく皆さまにはもだもだしてもらいます。笑 コメントありがとうございました！ (2022年10月13日 3時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆの | 作成日時：2022年7月17日 2時
