32話 ページ32
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『末くんは下の名前で呼んでって言ってくれたんだけど、いきなり変えるの難しくって』
福「そんで今の呼び方に定着したんや〜」
末「……けどそろそろいけるくない？」
『え』
きゅるきゅるの瞳で覗き込んでくる彼、少しニヤついてるメンバー、何故か待ち遠しそうにわくわくしているお客さん。
嫌な予感に、冷や汗がじんわりと背中を伝った。
末「いっぺん呼んでみ」
『やーだー！』
駄々っ子のように地団駄を踏む。
気付けば向かい合わせで、いつの間にか彼と手を繋いでいて。
ぶんぶん振り回しても離れる様子はない。
末「ほら、別に減るもんちゃうし」
『……私の心が減るもん』
主に、羞恥心で。
口角も目尻も下げまくっても、大人な彼は余裕そうに見つめてくるだけ。
その顔だって好き。
末「呼んでや、Aちゃん」
くすぐったいぐらい優しく微笑まれ、胸がむずむずそわそわと落ち着かない。
唇をきゅっと結んで耐えようとしたけど、追い打ちをかけるように「お願い」と甘えた声で言われてしまったらもう降参するしかなくて。
唾をごくりと飲み込み、小首を傾げて彼を見上げる。
『……せ、せぃや、くん』
頼りなく震えて上擦った声。
マイクもないからきっと後ろの方のお客さんには聞こえてないと思う。
それでも嬉しそうに、だけど少し照れくさそうにはにかむ彼を見られればそれで満足なの。
末「あー、かわい」
草「顔ゆるっゆるやで。笑」
小島「晶哉も呼んでみ！」
佐「せーや君」
末「なんやねん。余韻に浸らせろや」
一気に騒がしくなるステージと会場に、私も緊張がほぐれて強張っていた身体の力が抜けていく。
そのタイミングでスタッフさんの「そろそろ」という合図に気付き、同じくそれを見たらしい正門と目を合わせた。
正「名残惜しいんやけどえぇ加減喋りすぎやって。笑」
『めちゃくちゃ居座っちゃってごめんなさい。最後まで一緒に楽しもうね！』
正「ジャニーズWESTのAちゃんでした〜ありがとうね！」
あたたかいお客さんの拍手と歓声をもらいつつ、一旦ステージ裏に捌けるために皆へ背中を向ける。
末「A、またあとでな」
一際甘い響きに、勢いよく振り返る。
ご機嫌そうに目を細めた大好きな彼は、やっぱり今日もずるい人だった。
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ゆの(プロフ) - oshige127さん» 何回も読んでもらえるの嬉しいです😊 デレ期到来…ですかね♡ 甘々な2人の関係を乞うご期待です！ (2022年11月24日 21時) (
レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
oshige127(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませていただいてます！なんなら何回も読み返してます！最近の末くんのデレデレ具合はなんなんですか〜（笑）一生のお願い真剣に考えます！笑 (2022年11月24日 10時) (レス) id: c6522ef373 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» ぜひ何回でも！毎回とっても嬉しいです♡ (2022年10月14日 2時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
3(プロフ) - 何回もコメントすみません！めっちゃわかります焦ったい感じがたまらないんですよね楽しみにしてます！！ (2022年10月13日 13時) (レス) id: 050b62ae5b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» 第三者目線だと「はよくっつけや！！」ですが当人たちには全く伝わっていない感じが好きでして。笑 もうしばらく皆さまにはもだもだしてもらいます。笑 コメントありがとうございました！ (2022年10月13日 3時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆの | 作成日時：2022年7月17日 2時
