19話 ページ19
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末「Aちゃん」
大好きな人の声が、遠くからぼんやりと聞こえてくる。
どこから聞こえてくるのかわからなくて必死に走り回って探すけど、やっぱりどこにもいなくて。
会いたい気持ちだけが募っていく。
末「Aちゃーん」
近付きたいのに、近付かせてくれない。
踏み込みたいのに、線引きをされる。
でも、離れるのは許してくれない。
末「っ、Aちゃん、」
身体を左右に揺さぶられ、深いとこに沈んでいた意識が急激に浮上してくる感覚。
嫌々瞼を持ち上げると、狼狽えた様子の彼と目が合った。
『こえ……おっき……』
末「……ヤな夢でも見てたん？」
『なんで？』
末「……泣いとる、から」
そう言われ、初めて自分の頬を伝う冷たい存在に気付く。
夢……なんだっけ。
全然覚えてないや。
すっ、と伸びてきた指先が柔く雫を拭う。
彼はなんだか複雑そうな顔をしていた。
末「……俺、Aちゃんに泣かれるん嫌やわ」
一拍置いた後、思わず笑いが込み上げた。
口をへの字に曲げて不機嫌を露わにした彼には悪いけど、こればっかりは仕方ない。
私が今までどんだけ末くんに泣かされてきたか、知らないもんね。
『ふふっ、』
末「なんなん、ほんまに言うてんのに」
『寝ちゃってごめんなさい』
末「それは全然えーねんけど」
ぶすくれた表情にだって愛おしさが溢れていく。
もう一度ごめんねを伝えると、諦めたらしい彼が車を降りて助手席の扉を開ける。
末「散歩しよ」
差し出してくれた手のひらに、ドキドキしながらも自分の手のひらを重ねた。
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ゆの(プロフ) - oshige127さん» 何回も読んでもらえるの嬉しいです😊 デレ期到来…ですかね♡ 甘々な2人の関係を乞うご期待です！ (2022年11月24日 21時) (
レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
oshige127(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませていただいてます！なんなら何回も読み返してます！最近の末くんのデレデレ具合はなんなんですか〜（笑）一生のお願い真剣に考えます！笑 (2022年11月24日 10時) (レス) id: c6522ef373 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» ぜひ何回でも！毎回とっても嬉しいです♡ (2022年10月14日 2時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
3(プロフ) - 何回もコメントすみません！めっちゃわかります焦ったい感じがたまらないんですよね楽しみにしてます！！ (2022年10月13日 13時) (レス) id: 050b62ae5b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» 第三者目線だと「はよくっつけや！！」ですが当人たちには全く伝わっていない感じが好きでして。笑 もうしばらく皆さまにはもだもだしてもらいます。笑 コメントありがとうございました！ (2022年10月13日 3時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆの | 作成日時：2022年7月17日 2時
