How much Love ・・・？【８】 (ページ26)

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・・・・・。

俺は。

Aの為なら
人生を変えてもいいと思った。

俺の浅はかなその気持ちが、

Aの人生まで変えてしまう
危険があった事に、

・・・気がつかなかった。

ボラの言う通りだ。

俺は、これが運命だと思い込んで
愛情を押し付けていただけで。

俺が自分よがりの愛情から
誠意のつもりでAに言った言葉が
彼女にはどう思われているのか、
分からなかった。

俺よりも遥かに・・・
大きな愛情で
Aが俺の事を考えてくれてる事に

気がつかなかった。

・・・・・。

自分の人生より、
大切に思える人なんて。

この先出会える事、なんて。

『・・・・・。』

サイドテーブルのトレイの中にある
携帯と・・・ずっとやめていた
煙草の箱に手を伸ばした。

煙草に火をつけ、一口吸い
ゆっくりと煙を吐き出しながら
携帯をかけると、

ワンコールでボラの
笑って話す声が聞こえて来た。

「・・・まだ真夜中だよ？

ユチョン、そんなにボラの声、聴きたい？

今からもしかして会いたいの？」

『ボラに任せる。』

「え？」

『あの・・・話。

進めてくれていい。

ボラの好きな様にして。』

俺の答えを聞くと、
一瞬、携帯の向こうにいる
ボラが沈黙し、

そしてこう言った。

「分かった。

ユチョン達のコンサートが終わるまでは

発表は控えた方がいいのかなって
思ってたけど。

もし、もしもだけど。

・・・情報が漏れちゃったら事務所も
認めざるを得ないよね？」

『・・・全部任せる。』

そう言うと、
携帯を切った。

顔を上げ、窓を見つめた。

閉じているカーテンの向こうの夜空には
まだきっと、薄く月が見えている。

その月を想像しながら・・・
Aと２人で
何度も見た月の事を考えた。

この先こんなに愛せる人と
出会えることはきっと無い。

・・・彼女の。

Aが自分の愛情と引き換えに
守ってくれた俺の居場所を。

俺は・・・精一杯、

守って行かなきゃ。

Aを失ってしまった今、

それ以外、どうやって
生きていけばいいのか。

・・・分からない。

溢れる涙を止める術がなく、
俺は下を向き、
そのまま目を閉じると、

静かにそれを流し続けた。

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