How much Love ・・・？【８】 (ページ3)

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３５３彼女の居場所ページ3

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重い足を引きずるように
歩き出しながら、
また考えを巡らせた。

前にかかってきた間違い電話。
あれはやっぱり
探りを入れられてたのか。

あの時に、
咄嗟にAの名前を
呼んでしまったのは俺で。

・・・・・。

韓国には
Aの事を知る人がいなかったから。

それでも安心して笑える様になるまで、

時間、かかったって・・・。

そうヒョンが言ってたのに。

やり直すために来た韓国で、
また思い出させることになる。

彼女の・・・
やっと見つけた居場所を。
奪う事になる。

・・・・・。

俺の、せいで。

そんな目には
絶対に合わせたくない。

グイッ。

いきなり後ろから肘を掴まれた。

振り返るとジェジュンが心配そうに
眉間に皺を寄せ、俺を見ていた。

追いかけて来たのか。

『・・・ユチョンッ。心配したッ！

携帯繋がんないしッ。

なかなか帰って来ないから
どうしたかと思って・・・！』

『ジェジュン・・・あ、そうか、ゴメン。』

ポケットの中にある携帯を取り出して
電源を入れる。

その俺をじっと見つめ、ジェジュンが尋ねた。

『ボラの父親、なんだって？』

『うん・・・。』

下を向き、答える俺。

俺が・・・諦めたら。

・・・ジェジュンに、
コンサートのメンバーから外してくれって
今言えば、

コンサートへの妨害は無くなる？

あの父親は諦めるだろうか。

上手くいけば
また前のスポンサーが戻って来てくれ・・・

「君に選択権はない。」

突然、ボラの父親に言われた言葉が
脳裏に浮かんだ。

『・・・ユチョン？』

ジェジュンが、心配そうに俺を見つめている。

ダメだ。

俺が外れようが、外れまいが。

あの父親は、関係なく
コンサート開催に
圧力をかけてくるだろう。

ここまで来て
白紙になんて
出来る訳がない。

・・・俺個人の理由で、
メンバーに迷惑はかけられない。

・・・・・。

選択肢は無い。

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