８８ 分からなかった ページ38
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あの時の感覚は
未だに思い出せる。
彼女を男から助け出し
同僚に渡した後、
会場を後にした俺は
ある事に気がついた。
「ん・・・？」
あの会場にいる間中、
悩まされていた酷い頭痛が
嘘のようにひいてる。
そしてすっきりと冴え渡る頭の中に、
・・・新しいショーに向けた
デザインのアイデアが
次から次へと浮かんできた。
「・・・・！・・・・。」
自分の変化に驚き足を止め、
慌ててスマホを取り出した。
そして俺は取り憑かれたように
アイデアをそこに書き留めた。
そのあとに発表したコレクションが
業界から注目されるきっかけに繋がり、
そして・・・今の俺がいる。
それから俺は、
アイデアに煮詰まった時は
彼女に会いに行くようになった。
彼女の仕事先に出かけ
彼女を目にすると、
不思議と頭の中が整理される。
そして、新しいアイデアが湧いて来た。
当時は、
遠くから働いている彼女を
見つめるだけで気が済んでいた。
それ以上を
望んでいる訳じゃなかった。
***********************************
「A・・・。」
小さな声で名前を呼びながら、
隣で寝ている彼女に
顔を近づけた。
幸せそうなAの寝顔を
見つめていると、
なんだか胸が苦しくなった。
「・・・・・。」
・・・俺。
君を見ていただけの時は
分からなかった。
分からなかったんだ。
Aに向かって・・・
そっと手を伸ばす。
笑顔も。
怒った顔も。
慌てる仕草も。
全部可愛くて。
愛しく思える事も。
驚いた時に落っこちそうに見開く、
君の目の中の白い場所が
青白く、澄んでいて。
・・・とても美しい事も。
自分にそれが向けられるまで
知らなかった。
それを知ることで、
こんなにも愛しく思えるのか、って。
そして・・・こんなにも。
Aを失いたくなくて、
君が俺の前から消えるのが怖い。
・・・君に真実を話せば。
その不安は無くなる？
それとも・・・。
「・・・・・。」
Aの頬に触れようとして
そっと伸ばした腕。
それを俺は、
触れる前にゆっくりと下ろした。
・・・・・。
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ゆうたろう(プロフ) - かなさん» かなさん、ありがとうこざいます＾＾更新ぼちぼちですが、また読んでやって下さい。チャンミン彼女には甘々なイメージありますよねぇ。フフフ… (2019年2月23日 8時) (
レス) id: 2bba9131ef (このIDを非表示/違反報告)
かな - ときどきやってきて、読ませてもらっています。チャンミンにキュンっ (2019年2月20日 23時) (レス) id: e04eb6e781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうたろう
| 作成日時：2019年1月19日 0時
