ネコ勇者の冒険～魔猫を退治せよ！～ (ページ1)

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ネコ勇者、誕生！ページ1

「風夜ー。」
日暮が呼んでいる。
でも正直言って私は乗り気じゃない。
『急募！
　魔猫を倒す志を持つ勇者よ、集え！
　ねこネコ歴３０９年２月２２日の猫の日、王城にて待つ。』
こんなチラシ、信用できない。
詳細があんまり書かれてないし、チラシ以外は何も宣伝してないし。
一応発行元は王城だけど、偽物かもしれないし。
っていうか、あの不法マタタビを量産して猫を堕落させる恐ろしい魔猫なんて怖くて倒せないよ。
「おっ、いたいた。どーして返事してくれないんだよぅ。」
見つかった……
「ねえ、やっぱりやめようよ。魔猫退治とか無理だって。」
尻尾を下げて上目遣いに頼んでみる。
「いいじゃん、風夜。きっと他にも腕の立つ勇者が来てるし、俺らもそこそこ強いだろ？」
たしかに私は体術の免許皆伝をもらったし、日暮は剣術大会で優勝したこともある。
だけど、まだまだ伝説の勇者には程遠い。
それに、こんなチラシに腕の立つ勇者が集まるの？
「なあ、頼むよ、この通り！」
頭を下げられるとなあ・・・
本当に私はこの幼馴染にすこぶる弱い。
「わかった。だけど、詐欺ってわかったらすぐ引き返そうね！」
「おうよ！」
日暮の笑った顔が太陽に輝いてまぶしい。
まだ寒い２月、二人、いや二匹の新米ネコ勇者が誕生した。