深紅.

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Aside

キヨ「今日は3人共出かけるから、1人になるけど大丈夫？」
朝というか昼に、寝起きのキヨはどこか心配そうな表情を見せながら私に言ってきた

大丈夫だと伝えれば、少し笑って「じゃあ行ってくる」って私に優しくキスをしてくれた
なんかそれが幸せで何度も思い出してはニヤニヤとして頬が緩んでいた

時刻は窓から照らす光でもうすぐ夕方になることを示していた
ストレッチをしてリラックスしていた私は呑気に鼻歌を歌っていた

すると玄関の方でガチャっと音共に慌ただしい足音が聞こえたと思うと私の部屋の扉が開いた

キヨ「逃げるぞ。A」

キヨは昨日のよりも息が上がっていた
後ろにいるヒラとフジも同じようだった

「何があったの。警察？」

仕事柄こういう事には慣れている私は冷静になる

フジ「その通りだ。ヒラ、ハンドガンを渡してやれ」

ハンドガンを受け取り、私は構える

「久しぶりね、最高の気分」

私は少しずつ“闇の蝶”の感覚を取り戻していく

ヒラ「Aちゃん、俺らを撃つのは止めてね？」

ヒラは少し笑って私の頭をぽんっとした
昨日のこともあって少しゾワッとしたが、あの狂ってるヒラはどこにもいない

キヨ「ナイフは8本見つけた。弾に限りがあるから、1本は気軽に出せるとこにしまえよ？」

キヨはそう言って、ナイフを配った

「さぁ、私達の初めての逃走劇をはじめましょうか」

私は少し狂ったようにニヤッと笑った

キヨ「あぁ。楽しむか」

キヨは同じように私を見て笑って

フジ「いいね、その響き。ゾクゾクするよ」

フジはハンドガンを見つめニヤッとし

ヒラ「俺らを見せつけてやるか」

ヒラはナイフをクルクルっと回して笑っていた

そう、私達は狂っていて、誰1人として正しい判断も後戻りもできない

いつどこで誰のせいで道を踏み外して狂い始めたなんて誰も知らないし分からない、分かりたくもない

ただ、分かることは1つ

______最初からずっと前からクルッテイタノ


私達は裏口から出ようと足を進めた

後ろにぐいっと腕が引っ張られた

赤のメッシュの彼。私の好きな彼。
キヨが真剣な顔をして私を見た

キヨ「どうなるかなんて分からない。もしかしたら死ぬかもしれない。でも俺はAを守る」

キヨはそのまま私にキスをした

「キヨ、愛してる」

そう言えば俺もと言ってぎゅっと抱きしめてきた
少し彼の不安を感じた気がした

そしてフジとヒラの元に戻った

そのまま4人で運命の分かれ道になる最俺ハウスの外へ出た

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