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キヨside
「私はそれから数えきれないぐらい殺して、父と母の事に上書きしていった」
Aの辿ってきた過去は想像を絶するものだった
「そのせいで、父と母のことが呪いのように黒く染まってひどく醜い思い出として私に残った」
俺は多分息をすることさえ忘れている
「それは私を“今の私”にして闇の蝶を完成させた」
Aは俺を見て辛そうに笑った
「これが私。知られたくない黒く醜い過去」
キヨ「俺はAを否定しない。その過去があるからAは生きる強さを持ってる」
俺はAの肩に触れた
キヨ「それにAが生きることを諦めなかったから今ここにいる。お前と出会えたんだよ」
そして抱きしめた
キヨ「強さと綺麗さがあるAだから俺は惚れたんだ」
強くAを抱きしめた
「ありがとう」その言葉をこぼしたAは泣き出した
キヨ「話してくれてありがとう」
____しばらく泣いたAは俺の腕の中で眠りについた
キヨ「今日はいろんなことがあったもんな。疲れたよな」
Aをそっとベットへ寝かせて部屋を出た
実況部屋に向かって入ると誰もいない
携帯を見ると2人は明日こーすけの職場に行くから一寝入りすると連絡が入っていた
自分の席に座ってパソコンを見つめた
「今日の分の動画撮るか」
リビングに行って録画ボタンを押した
「どうも、キヨです」
1人で実写を撮ってる自分をカメラのレンズが映す
「なんでこの動画撮ってるのかも分かりません。ノリです」
俺の声は誰もいないリビングに響く
そのまましょうもない雑談をして録画を止めた
それを編集するため、リュックからパソコンを出した
そのままパソコンと向かい合わせになる
これが俺の何気ない日
Aが来る前の日々
さっさと編集終わらせて寝て、こーすけの元へ行く
これが飽き飽きしていた俺の毎日
それがいつの間にか特別になっていた
Aが来てから、動画撮ってる時も編集してる時もバレるんじゃないかと心が休まるところはなかった
すると俺のではない携帯が鳴った
たしかAのだ
見てみるとメールが入っていた
悪いなっと思いながら「取り上げたのは俺だしな」と一言呟いて見てみると内容は
『いつ任務完了するんだ?蝶にしたら遅い仕事だな』とメールが1件、“スペード”という人物からだった
俺は赤いハートが入った二の腕を見た
「スペード。王侯、貴族など権威の高いもの。死を表すもの。俺より地位が高いな。誰だ?探るか」
俺はそう低く呟いた
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ゆゆ - これは1つの私の答えです。彼女の最期など皆様の答えは違うと思います。是非お聞かせ下さい (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - サム達を残して逝ってしまう悲しさ不安さがどこかにあり、満月は彼女の気持ちと同じく暗闇に隠れてしまいます。彼女の壮絶な人生と狂った恋愛を許してしまうそんな世界を現しているのが月の光。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 解説です。月の光は楽しくもあり悲しくもあるどちらともいえない曖昧な世界を表現した曲と言われています。サムと過した日々は楽しいですがキヨの想いが彼女を苦しめたためにどちらともいえないと発言しています。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 孤黒さん» ありがとうございます!その言葉全てが嬉しいです!マイペースすぎて進まないですが最後まで最善を尽くしてこだわらせてもらいますのでよろしくお願い致します! (2020年4月23日 15時) (レス) id: f9b5f66733 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 完結おめでとうございます!こんな感じのお話を読んだのは初めてでした。とっても面白かったです!最後まで雰囲気を崩さない所とか、素晴らしいなぁと感心しております。「唐紅」の方も楽しみにさせて頂きます!最後まで応援しております! (2020年4月19日 23時) (レス) id: 785222cc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2019年8月30日 1時