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Aside
今日の夜はキヨがいないらしい
______お昼のことだ
キヨが突然やってきて「今日、夜居ねぇから大人しくしとけよ。上司と会ってくるから逃げたらすぐ言えるからな」と念押しされた
別に逃げる気力もない私にとっては聞き流した
しかしどうやら私はとことん不運ならしい
逃げたくなるような出来事がその夜起こった
17時半過ぎ、慌てた足音が響いて玄関の扉が閉まった
多分キヨだろうと思った
少し時間が経って、うとうとしていると私のいる部屋の扉が開いた
フジ「Aちゃん」
ヒラ「おまたせ」
2人はニヤニヤと不気味に笑って私の元へときた
「ごめん、今日はご飯要らないや」
私がそう言うとフジは顔を近づけた
フジ「ご飯とかじゃなくて違う用でここに来たんだ」
そのままキスをされた
フジ「この前おあずけだったじゃん?続きしようよ」
フジは狂ったように笑う
ヒラ「俺も一緒にね?」
やばいと頭では分かってる
けれどここで否定しても何も起こらない
逃げ出したい
逃げたくない
逃げたい
______ニゲラレナイ
言葉が頭を駆け回る中、私は手枷をつけられた
ヒラ「逃げないでね?」
ヒラもフジと同様狂ったように笑う
「いつからそんなに狂ってるの?」
私から絞り出た言葉はそれだけ
きっと私の瞳は恐怖で染まってる
きっと私の顔は強ばってる
_____きっと私はオカシイ
フジ「Aちゃんを自分達のものにした時から」
ヒラ「キヨに取られるのはウザったいんだよね」
2人は楽しそうに私の服をぬがしてゆく
そしてゆっくりと私の体の線をなぞってゆく
くすぐったくて変な気持ちになってゆく
フジ「我慢しなくていいから」
ヒラ「本能のままに生きようよ」
その言葉をすんなりと受け止めてしまう私はもう闇の蝶である自分を保てていない
「んっ…」
自然に声が出た
もうダメだ、反抗する気持ちも湧き出てこない
フジ「世界で1番綺麗だよ」
ヒラ「もう俺らのもんだ」
乱暴かと思いきや、優しく大切にしてくれる2人
女の本能として私はこたえた
「ダメっ…」
心の奥底で助けを呼んでいることを隠して
時間は自分が思っているより早く進むものだ
もう記憶がおぼろげであまり覚えていない
ただ快楽に溺れている
そんな中ガチャと部屋の開く音
キヨ「なにしてんの」
うっすら汗を額に浮かべ、軽く息が上がっているキヨが呆然と立っている
その顔は驚きそのものだった
キヨを見てどこか安堵を感じた
無意識に小さな声で「助けて」と訴えた
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ゆゆ - これは1つの私の答えです。彼女の最期など皆様の答えは違うと思います。是非お聞かせ下さい (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - サム達を残して逝ってしまう悲しさ不安さがどこかにあり、満月は彼女の気持ちと同じく暗闇に隠れてしまいます。彼女の壮絶な人生と狂った恋愛を許してしまうそんな世界を現しているのが月の光。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 解説です。月の光は楽しくもあり悲しくもあるどちらともいえない曖昧な世界を表現した曲と言われています。サムと過した日々は楽しいですがキヨの想いが彼女を苦しめたためにどちらともいえないと発言しています。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 孤黒さん» ありがとうございます!その言葉全てが嬉しいです!マイペースすぎて進まないですが最後まで最善を尽くしてこだわらせてもらいますのでよろしくお願い致します! (2020年4月23日 15時) (レス) id: f9b5f66733 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 完結おめでとうございます!こんな感じのお話を読んだのは初めてでした。とっても面白かったです!最後まで雰囲気を崩さない所とか、素晴らしいなぁと感心しております。「唐紅」の方も楽しみにさせて頂きます!最後まで応援しております! (2020年4月19日 23時) (レス) id: 785222cc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2019年8月30日 1時