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86話(土方side) ページ49

何だか最近、Aの様子が変だ。
それは総悟とも話していた事だった。







いくら話しかけても、あっさりした、単純な返事
しか返ってこない。
それに、どんどん口数も少なくなっている気がする。







夕食の時も、Aの部屋を通りかかった時、ほんの一瞬だけ彼女の部屋の戸が開いたが、すぐに閉まってしまったのも、もしかしたら俺のせいなのかもしれない、そう思ってしまった。







そのまま一人で食堂へと向かった。
向かった先で総悟と会った。
総悟が話しかけて来た時、一体何だと身構えたが、
別に身構えるような用件でもなかった。







「土方さん。_最近、Aの様子がおかしいと思うんですが、どう思いやす?」







「_どうって、俺もそう思うよ」







「ですよねィ」







軽く返事をしてそっぽを向いた後、総悟は俺の方を振り返って、耳打ちして来た。







「俺的には、藤咲が怪しいと踏んでるんですがね」







「え?藤咲…?」







そう聞き返した瞬間、くいっと隊服の袖を引っ張られた。その犯人は藤咲だった。







「呼びましたか?十四郎副長に総悟隊長?」







お呼びじゃねェ…!
多分、今だけは、今だけは総悟と心の声が一致したと思う。
今、一番来ちゃいけないよ、お前は。







「いいや、別に呼んでねェよ。ほら、夕飯の支度
あるんだろ。先輩の女中に迷惑かけるような真似
するんじゃねェ」







そう返すと、藤咲は不服そうに頰を膨らませてから、分かりましたよ、と言い残して去って行った。








それから暫くしてAが食堂に来たが、朝食の時と同じように一言も喋る事なく食事を済ませ、そして
すぐに席を立って行ってしまった。








自分たちも食事を済ませたところで、そういえばと
思い立つ。
少し前、彼女が俺たちと話をしなくなった時でも、
確か山崎とは普通に話していた気がする。
ならせめて、彼を通してでも、Aの力になれれば。








俺はそう考えて、総悟にそう話をした。
総悟は暫く黙って俺の話を聞いていたが、やがて
頷き、賛同してくれた。








食堂を出る前、俺は山崎に声を掛けた。








「…山崎」








「何ですか、副長?」








「彼奴に…Aに、伝えておいて欲しい事がある」








「_Aさんに…?」








俺は山崎に、最近自分が思っている事_
それと、悩みがあるなら話を聞く、と伝えておくように言って、そのまま食堂を後にした。

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蒼桜 - アトさん» コメント有難うございます!藤咲さん、悪女っぷりを発揮し始めてます(笑)面白いと言って頂けて幸いです!次巻が公開されたら、是非訪問してくださいね♪ (2018年12月30日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - 藤崎バルス。すごく面白いです!(*^ω^*) (2018年12月29日 20時) (レス) id: e67fafc940 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - 乃愛さん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて嬉しいです!これからの展開、是非期待してくださいませ!(笑)これからも頑張ります! (2018年12月26日 20時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - 初コメです!この小説とっても面白いです!毎回楽しく読んでいます!ライバルの女の子が出てくるとことか凄く楽しみです!更新頑張ってください(〃⌒ー⌒〃) (2018年12月26日 18時) (レス) id: 986dd761b2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - RURUさん» 本当ですか!とても嬉しいです!有難う御座います!名前変換と言いますと、現在の伊勢屋篇の姉妹達の名前とかだったりしますかね?一応出来るようにしておきますが、間違っていたらすみません! (2018年11月11日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千暖 | 作成日時:2018年11月5日 16時

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