【銀魂】真選組副長補佐をオトす方法２

83話(藤咲side) ページ46

＿一体何なのだろうか。
最初は、別にどうでも良かった。
A副長補佐の事である。








むしろ、イメージが悪かったわけでも無い。
言葉遣いも丁寧だし、人当たりも良くて優しく、
そして美人と、まさに非の打ち所がないというのは
ああいう人の事を言うのだなと身を以て実感した。








イメージが悪化した訳ではない。
でも、十四郎副長や総悟隊長と親しそうに話すのを見て、私は自然と、彼女に敵対心を持つようになった。








以前、食堂で十四郎副長にクッキーを食べて貰ったのも、総悟隊長と一緒に縁側で過ごしたのも、全部好感度を上げる為だった。
いつしか、最早A副長補佐よりもあの2人と
一緒にいるのは私なのではないかと思う程になった。








ある日の朝食の事。
近藤局長やその他数人の隊士たちが集まって来てから少し経って、A副長補佐が食堂に来た。
近藤局長と彼女が会話しているのを眺めながら、
総悟隊長や十四郎副長を待つ。








暫くすると、総悟隊長が食堂へとやって来た。
私はそれを見て、すかさず挨拶をする。
A副長補佐と被ってしまったが別に良い。








「あっ、おはようございます！総悟隊長」








「…おはようございまさァ」








「今日の朝ごはんは目玉焼きなんですよ！」








「ほォ。そりゃ珍しいねィ」








総悟隊長と会話しながら、ちらりとA副長補佐の方に目をやる。
一瞬だけ目が合ったが、すぐに目を逸らされた。








総悟隊長が来てまた少し経ってから、今度は十四郎副長が食堂に来た。








私は彼に駆け寄った。
昨夜、縁側で十四郎副長と話している時に、
いつのまにやら寝落ちしてしまっていたと、
先輩の女中が教えてくれた。








「十四郎副長っ！おはようございます！」








「…ああ、おはよう」








「昨日は迷惑かけちゃったみたいで…ごめんなさい…」








「…別に気にしないでいい」








ぶっきらぼうに十四郎副長は言ったが、それでも私は嬉しかった。
だってとっても格好良かったから。








そのまま朝食の時間になった。
隊士たちにおかわりをよそって回ったり、なかなか
ちゃんと朝食を食べるタイミングが無かったりもする。
こればかりは、女中だから仕方ない。








朝食が終わり、私はすぐに食堂を出た。
丁度、A副長補佐に会う。その口角は上がっていた。
私は意を決して声をかけた。

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