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75話(土方side) ページ38

今、俺の目の前には、2つの書類の山がある。
片方は終わった方。もう片方はまだ手を付けていない書類だ。









かなりの量をこなしたにも関わらず、ほとんど減る気配のない書類の山に、俺は思わずため息をついた。
これも全部、総悟のせいだ…!
野郎が建物ぶっ壊したりするから、上司の俺が責任負わされんだよ…!









…いや、総悟がいないのにこんな事を思っていても
時間の無駄だ。今はとりあえず書類を終わらせよう。俺はそう考え、筆を取った。









「十四郎副長〜?」









その時だった。
ノックと共にそんな声が聞こえたのは。
この声は…藤咲?









「何の用だ?」









「ちょっと来てください!」









めんどくせえ…
そう思ったが、どうせ書類の期限はもう少し先、
ぶっ続けで仕事をするなとAにも注意されたので、休憩がてら、俺は重い腰を上げ戸を開けた。









「何だ、藤咲」








「いいから来てくださいっ!」








ぐいっと強めの力で引っ張られ、バランスを失う事こそ無かったものの、俺はそのまま藤咲に連れられて、いつのまにか食堂に着いていた。








「十四郎副長!これ、さっき作ったんですけど、
どうですか?」








弾むような声とともに、食卓に何かが置かれた。
それはクッキーだった。
確かに美味そうだけど…
むしろ万事屋とかにあげた方が喜ばれるんじゃねえか?
そう思ったが、俺はその言葉を飲み込んだ。









食べてみてください、そう言われて食べてみた。
悪くない味だった…と、思う。








「ああ…悪くないんじゃねえの?」








少し適当になってしまったが、そんな返事を返す。
俺の答えに、藤咲は屈託のない笑顔で笑った。








「やったぁ〜!ありがとうございます!」








Aもこれくらい料理が上手ければなあ…
そんな事を他人事のように考える。
いや、事実他人事なのだが。
そう考えた刹那、食堂の戸が勢いよく開いた。








音を立てて開いた扉の方を見ると、そこにはAが
立っていた。
噂をすればとはこの事か…?








「どうしたA、そんなに急いで」








上の空だったのか、すぐには返事が無かったが、
数秒後に返事が返ってくる。








「今日、見回り当番だから、見回り行きましょうって言いに来たんですけど…」








そうか、見回りがあったんだ。
俺は重い腰を上げ立ち上がった。

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蒼桜 - アトさん» コメント有難うございます!藤咲さん、悪女っぷりを発揮し始めてます(笑)面白いと言って頂けて幸いです!次巻が公開されたら、是非訪問してくださいね♪ (2018年12月30日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - 藤崎バルス。すごく面白いです!(*^ω^*) (2018年12月29日 20時) (レス) id: e67fafc940 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - 乃愛さん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて嬉しいです!これからの展開、是非期待してくださいませ!(笑)これからも頑張ります! (2018年12月26日 20時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - 初コメです!この小説とっても面白いです!毎回楽しく読んでいます!ライバルの女の子が出てくるとことか凄く楽しみです!更新頑張ってください(〃⌒ー⌒〃) (2018年12月26日 18時) (レス) id: 986dd761b2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - RURUさん» 本当ですか!とても嬉しいです!有難う御座います!名前変換と言いますと、現在の伊勢屋篇の姉妹達の名前とかだったりしますかね?一応出来るようにしておきますが、間違っていたらすみません! (2018年11月11日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千暖 | 作成日時:2018年11月5日 16時

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