61話(夢主様side) ページ23
それから時が流れ、クリパを3日後に控えた今日。
私、土方さん、沖田さんの3人は、ケーキを作る為に
食堂のキッチンに集合していた。
「さてと…作りますか」
「それはそうだけど、Aにばっかり任せては
おけねえな。なあ、総悟」
「不本意ですが、俺もそう思いまさァ。生地だの
何だの、そういうのは俺がやりますんで、Aは
別の作業を頼んで良いですかィ?」
おいそれどういう意味やねん。
私料理練習したんだからな。
100回に1回は成功できるようになったからな。
Aさんナメんなよ。
「別に良いですけど…じゃあ飾り付けは私がやりますね。こればかりは、土方さんとかには任せておけませんし」
二人に聞こえないよう、最大限に小さく舌打ちをし、少し嫌味がましく言ってみる。
それを聞いた二人の反応は真っ二つに分かれた。
沖田さんはにやりと笑って小さく頷き、
土方さんは眉をひそめ、はあ?と呟いた。
「何だよ、そりゃどういう意味だ?」
「まだ分かんないんですかィ、土方さん。
アンタがやれば確実にマヨケーキになる事は俺も
Aもとっくに分かってまさァ」
そう、そうなんだよ沖田さん。
私が料理下手とか関係なしに、あの人の味覚は
やばいから。
クリスマスケーキがマヨケーキは頂けないわ。
「チッ…分かったよ。取り敢えずさっさと作るぞ。
ったく、なんで俺がこんな面倒な事やる必要があるんだ?」
とか舌打ちしながら言いつつ、手際よく材料を
準備する土方さんは案外ノリノリに見える。
「あら、楽しそうですけど?」
にやりと笑って横目で土方さんに問いかけると、
彼は慌てたように目を逸らした。
「バカ言え、んな訳ねえだろ。Aもアホみたいな事してねえで手伝え」
はいはい、と生返事を返し手伝おうとすると、
横から沖田さんが耳打ちしてきた。
「あんな事言ってますが、案外楽しみにしてるんですぜ、あの人。Aと一緒に居られるから」
「はあ、そうですか。てか沖田さん、後ろやばい
ですけど」
沖田さんの背後を指差し言う。
御察しの通り、沖田さんの背後には、土方さんが
こめかみに青筋をくっきり浮かべて仁王立ちしていた。
「総悟…油売ってないで手伝えェェェ!」
ケーキ作るだけでこの騒ぎ、先が思いやられるわ。
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蒼桜 - アトさん» コメント有難うございます!藤咲さん、悪女っぷりを発揮し始めてます(笑)面白いと言って頂けて幸いです!次巻が公開されたら、是非訪問してくださいね♪ (2018年12月30日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - 藤崎バルス。すごく面白いです!(*^ω^*) (2018年12月29日 20時) (レス) id: e67fafc940 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - 乃愛さん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて嬉しいです!これからの展開、是非期待してくださいませ!(笑)これからも頑張ります! (2018年12月26日 20時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - 初コメです!この小説とっても面白いです!毎回楽しく読んでいます!ライバルの女の子が出てくるとことか凄く楽しみです!更新頑張ってください(〃⌒ー⌒〃) (2018年12月26日 18時) (レス) id: 986dd761b2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - RURUさん» 本当ですか!とても嬉しいです!有難う御座います!名前変換と言いますと、現在の伊勢屋篇の姉妹達の名前とかだったりしますかね?一応出来るようにしておきますが、間違っていたらすみません! (2018年11月11日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千暖 | 作成日時:2018年11月5日 16時