伊勢屋篇 第二十五幕(50話)[夢主様side] ページ11
「…というわけでありまして…」
「ほォ?」
現在私達真選組幹部メンバーは、例の誘拐事件の
解決報告をしに、警察庁長官の松平さんのところに
来ているのだった。
あの後、お峰ちゃんは伊勢さんのもとに
返した。花実ちゃんもいぶきちゃんも、
久しぶりの姉との再会に涙を流して喜んでいた。
それは伊勢さんも同じ。
本当に嬉しかったのだろう、涙ぐんでぐすぐす鼻を鳴らしながら、辛かったろう、ごめん、と何度も
言っていた。
井河三姉妹も、一応返した。
あの三人も、あまり父親の事はよく思っていない
みたいだったが、やはり親元は安心するようだ。
井河八右衛門も、柄にもなく何度もお礼を言って来た。別に悪い気分では無いけれど、唯一の心残りといえば_
「で、最後の最後に万事屋のとこのチャイナの
傘鉄砲で加藤のドタマがぶち抜かれて、そのまんま
娘達を連れて戻ったっつうわけだ…」
「トシ…真選組としてそれはどうなんだ?」
「いや、何で俺だけなんだよ」
訝しげに松平さんを見る土方さんを宥めるように、
近藤さんが言う。
「まあまあ、最後はあんな感じだったが、俺たちは十分頑張ったじゃないか。あそこまで漕ぎ着けたのも俺たちの努力の賜物だろう?」
「俺ァAが一番頑張ってたと思いますがね。
今回の所謂戦犯って奴は土方さんでしょう」
「誰が戦犯だコラァ!総悟オイ!」
いつもの揉め事が始まった所で、松平さんは
こめかみに若干青筋を浮かべつつ、私の方を見た。
「水上。総悟の言う通りだ。今回はお前の活躍が
かなりでかかった」
「そうですかね…?私が貢献出来たことなんて、
ほとんど無かったと思うんですが」
首を軽く傾げながら言う私に、土方さんが微笑と
共に言った。
「んなこたァねえよ。伊勢屋事件と今回の誘拐事件の関係性を見つけたのだってAだろ?
ヒントゼロの状態から解決できたのは、お前の活躍のお陰だ。謙遜するんじゃねえ」
「ふふ、嬉しい事言ってくれますね。
それじゃ、その言葉は褒め言葉としてありがたく
受け取っておきます」
「お、おう…」
すると、沖田さんがその紅い瞳に微かな不満を浮かべて言う。
「何顔赤くしてるんです?土方さん」
「テメー総悟何言っ…」
「トシ、総悟、いい加減にしろ」
作者より(唐突過ぎる)→←伊勢屋篇 第二十四幕(49話)[夢主様side]
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蒼桜 - アトさん» コメント有難うございます!藤咲さん、悪女っぷりを発揮し始めてます(笑)面白いと言って頂けて幸いです!次巻が公開されたら、是非訪問してくださいね♪ (2018年12月30日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - 藤崎バルス。すごく面白いです!(*^ω^*) (2018年12月29日 20時) (レス) id: e67fafc940 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - 乃愛さん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて嬉しいです!これからの展開、是非期待してくださいませ!(笑)これからも頑張ります! (2018年12月26日 20時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - 初コメです!この小説とっても面白いです!毎回楽しく読んでいます!ライバルの女の子が出てくるとことか凄く楽しみです!更新頑張ってください(〃⌒ー⌒〃) (2018年12月26日 18時) (レス) id: 986dd761b2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - RURUさん» 本当ですか!とても嬉しいです!有難う御座います!名前変換と言いますと、現在の伊勢屋篇の姉妹達の名前とかだったりしますかね?一応出来るようにしておきますが、間違っていたらすみません! (2018年11月11日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千暖 | 作成日時:2018年11月5日 16時