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彼がゆっくり話してくれたことは
父親に時々虐待を受けていること
相談する相手もおらず、一人で苦しんでいたこと
「父も母も
俺のことを凄く大切に思ってくれてるんです
期待してくれているし
でもその期待に答えようとすればするほど
試験では良くない成績を取ってしまって
どうしてなんだって、怒られるんですよ
でも虐待されたあと、ごめんなって父は謝ってくれて
母も父が怖いから止めれないの分かってるから
どうしても心の底から憎めなくて」
彼の言葉に、心底驚き、苦しくなった
どれだけ暴力を振るわれても
相手の愛情を少しでも感じると憎めなくなる
それがどれだけ辛いのか私には想像すらつかなかった
そんな彼を救うために私は何ができるだろう
そう考えて、考えて、考え抜いた結果
私は、
私にしかなれない彼の心の拠り所になりたいと思った
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作者名：魚 | 作成日時：2020年7月5日 23時
