待っててね──みんな。２

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神山side


ライブ始まる前から変な違和感はあったんや。




なんかフワフワしてる感覚。




これが酷い目眩だって事はすぐに気づいた。




それでもファンの子にバレへんように我慢して我慢して踊ったりアクロバットを決める。




ここまで我慢できるなんてな笑




ほんまはメンバーにもバレたくなかった。




また余計な心配させるから...。




ライブやってる時ぐらいみんな楽しみたいもんな、人の心配なんてしたくないもんな。




だから俺は出来る限り耐える、耐え続けるんや。




でもMCに入ってからずっと視界がグラグラ揺れてんねん。




ファンの子の顔もメンバーの顔もまともに見ることができひん。




油断したらこのまま後ろに倒れるのは分かってる。




そんな事したら...せっかくのライブを壊してしまう。




MCも中盤に入り毎回恒例のあるある話になった。




俺の話してくれるのは嬉しいんやけど...目眩が酷くて会話の中に入ることもできひんぐらいしんどい。




まあ、いつもガツガツ入るタイプじゃないからそこまで怪しまれる事はないと思ってんけどな...。




濱ちゃんにバレてもうた。




照史に着替えてきてと言われ濱ちゃんは自然と俺の肩を組んで支えながら行ってくれた。




崇｢神ちゃん！！やっぱり......調子悪いんやろ？」




バレたからにはちゃんと言うしかないもんな...。




｢さっきから目眩が酷いねん...。

ごめ、MC全然喋られへんかった。

ちょっと油断したらそのまま倒れそうやったんや...ほんまごめん。」




崇｢大丈夫、大丈夫！

休ませてあげたいんやけど...もう出なあかんし...。

我慢できるか？」




ほんまは今すぐにでもベッドに横になりたい...でも俺の１人のせいで中止にするわけにもいかんやん...俺のファンの子だって見に来てくれてるわけやし。




｢おん......大丈夫やから...。」




そう言う事しかできなかった。




そのまま俺は着替え始めた。




俺らが出ていくと同時に３人が入ってきた。




照｢もんち！！大丈夫か！」




大｢ごめんな...早く気づけなくて。」




望｢みんなすぐ気づけんかった...。」




ほら、また暗い顔させてる。




｢大丈夫大丈夫。

いや、ええねん。俺が我慢すればええけとやから。

よし、濱ちゃん行くで！」




｢え、あ、おん...。」




いつもこうや...みんな俺の事になるとすぐ暗い顔をする。




その空気が耐えられんくて半ば強引に濱ちゃんを引っ張ってステージに戻った。

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