第130話 ページ10
「いい人たちだね」
夜遅くまで過ごし、優紀とつくし以外は寝そべり、熟睡している。
「うん」
「先に寝るね、つくしも早く寝なよ？」
「おやすみ」
毛布を自身の体にかけ直した優紀は、一つ思い出したことがあり、つくしに伝える。
「和也君に聞いたんだけど、みんなそれぞれマンションとか持っててさ。
誰が提供するのが一番つくしに負担かからないか、昨日一晩話し合ったらしいよ」
つくしの性格を知っていた彼らは、自分たちが彼女の為にしたことが負担にならないよう考えていた。
「つくし、幸せだね」
今まで、学園にF4に一人で立ち向かっていたつくし。
それが今では、F4が横につき、敵だったもの初めて会った者たちがつくしの周りにはたくさんいた。
つくしは自分がそれにやっと気づいたような気持でいた。
両親が出稼ぎに行った漁村へとつくしは行き、自分には待っている人などいないとどこかで思っていた。優紀や和也、（人１）という仲のいい友達がいても頼れず、一人で戦おうとしていた。
自分にはこんなにも多くの仲間、友達がいたのだと優紀の話を聞き、痛感させられた。
次の日も学校があるからと、朝方（人１）たちは自宅へと帰っていき、つくしは何日かぶりに制服に身を通した。
「おはよう、つくしちゃん」
「おはよう」
「私今、すっごく嬉しいよ」
つくしの手を掴み、回り出す（人１）。
こんな子だったかと、つくしは疑問をもつが、心配をかけ、昨日優紀から聞いた話が頭に再び蘇り、自然と口角が上がる。
「あ、桜子おはよう」
「おはようございます」
後ろにいた桜子に気付き、彼女にも挨拶をする。
「聞いてくださいよ、牧野先輩ったら道明寺先輩と顔を合わせるなり隠れて逃げ出したんですよ？」
「つくしちゃん、それはないわー」
「んぐっ」
呆れた顔をする（人１）につくしは言い訳を述べようとするが、鐘がなったことで（人１）は授業があるからと走り去ってしまった。
「あ、あのことを言うの忘れた。後ででいいか」
「ん？」
「なんでもないですよ。ところで、先輩。
割のいいバイト紹するので放課後付き合ってください」
「割の良いバイト？」
うん、と笑顔で頷く桜子に不信感を抱きつつも、「割の良いバイト」の言葉に食いつき、放課後彼女の用事と言うものに付き合う結果になった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
揚羽 - 面白いです!!続編も楽しみにしてますね (2021年6月13日 17時) (
レス) id: c6646fb52d (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます！頑張ります (2018年6月13日 17時) (レス) id: 8ac49be7a6 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - part4移行おめでとうございます。更新頑張ってください応援しています。 (2018年6月11日 14時) (携帯から) (レス) id: 74ccaa5d41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たいやき | 作成日時：2018年6月11日 1時
