第125話 ページ5
盛り上がっていく彼らだが、司はその会話の中に入ることはせず、黙り続けた。
「総二郎、用事ってこれか？」
やっと口が開いたかと思えば、この言葉だった。
「え？」
西門は、顔を司に向ける。
「呼び出したのはこのためかって聞いてんだよ」
騒がしかった雰囲気も一気に静まる。
「べつにいつもやってることじゃんか」
皆で集まって、夜に店で遊ぶことは以前と何ら変わりない。
「最近、皆で夜遊びってやってなかったろ？
久々にどうかなって」
「類も誘ったんだけど、あいつは寝てるな」
花沢がこの時間帯に電話を掛けても、繋がらないのは寝ているということ。
それもいつも通り。
近頃は、司の母親が帰国してきたことで揉めて、忙しくなり、夜に集まることは少なかった。
この機会に、また集まろうと考えたのは西門と美作だ。
「そういうのなんつーか知っているか？」
今まで無表情のままでであった司が口角を上げ、不気味な笑みを浮かべる。
（人１）は嫌な予感しかしなかった。
「うざってーんだよ」
その場にいた全員が固まってしまう。
「べたべたしやがって、気色悪い」
いつもなら、美作や西門も軽くキレるくらいで返していたかもしれない。
しかし、今回は彼の言い方やタイミングも悪く、西門は我慢が出来なかった。
「そういういい方はねぇだろ」
いつも彼らと集まるときは、ニコニコと笑っていることの多い西門だが、目は笑っておらず、道明寺を見つめ返した。
美作は、二人を止めなければ、殴り合いの喧嘩に繋がるだろうと考え、二人の間に割って入る。
「総二郎、よせ。司も言いすぎだぜ」
「俺がなんか頼んだか？くだらねぇ友情ドラマのために呼び出すんじゃねーよ」
嫌な雰囲気が流れ出していた女性陣だが、滋と（人１）も間に入る。
「ちょっとやめよーよ」
「せっかく集まったんですし…」
この場にいるだけでも恐ろしく、一般の人間なら逃げ出していたかもしれない。
勇気ある行動をした二人だが、それもむなしく終わり、西門と司はにらみ合いの体勢になる。
「女に振られたくらいでグダグダしやがって」
誰もが触れていなかったことを、ついに西門は口に出してしまう。
美作が止めるも、西門の口は止まらない。
「てめぇの方がうぜぇんだよ」
椅子から立ち上がり、帰ろうとした道明寺は西門の頬に思いっきり拳を入れて殴り飛ばす。
司の殴りは思ったよりも強く、西門は後ろにいた美作によしかかる体勢となった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
揚羽 - 面白いです!!続編も楽しみにしてますね (2021年6月13日 17時) (
レス) id: c6646fb52d (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます！頑張ります (2018年6月13日 17時) (レス) id: 8ac49be7a6 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - part4移行おめでとうございます。更新頑張ってください応援しています。 (2018年6月11日 14時) (携帯から) (レス) id: 74ccaa5d41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たいやき | 作成日時：2018年6月11日 1時
