第153話 ページ33
「…司？」
もう一度司の名前を呼ぶが、司は無視して、偽物の清永の横を通り過ぎる。
「どこ行くんですか？」
（人１）の声で司が足を止めると、凄まじい殺気を出しながら振り返り、答えた。
「あの女ぶっ殺してくる」
そして、また歩き出そうとする司の肩を両側から西門と美作が二人掛かりで掴んで止める。
「止めろって、お前が言うとシャレになんねー！」
「うっせぇ！止めんなアホ」
「離すかタコ！」
「またぶっ飛ばすぞ総二郎」
「こっちのセリフだこの野郎」
口論を始め出した司と西門。
美作は自身の肩に置かれた手を見る。
手の人物が美作を後ろに引かせ、美作を横に移動させ、間に入る。
人指し指を曲げて、クイクイと動かす動作に司が気付くと、その手が司の�茲に平手打ちをする。
「ちょっと落ち着いて話をしようや」
偽物の清永だった。
美作はこの後、司がどう動くか想像し、冷や汗をかく。
「この野郎、上等だ！」
青筋を浮かべた司はすぐさま、彼に蹴りを入れようとしたが、彼が顔を横に避けたことで、偶然にもたまたま居た西門の顔に当たってしまう。
「あちゃー」
（人１）は苦笑いになる。
一度、顔を手で覆った西門は、司にキレ出す。
「いって〜…、何すんだテメェ！」
「おめーがどかねぇからだろ！ボサッとすんな！」
またもや、喧嘩が始まり美作が止まる。
これでは、話が出来ない。
ずっと黙っていたつくしは真剣な表情で、彼に問う。
「全部話して」
拳を握りしめ、声を荒げる。
「ちゃんと話して！いったいどういうことなの！？」
つくしは怒りで全身が震えていた。
喧嘩していた司と西門も止まり、彼と司に注目する。
「……１ヶ月前だったかな。ビシッとスーツ着た男が二人来てさ、内密にお願いしたいことがありますとか言って。」
司とは真逆のストレートな髪を持った彼は、センター分けにした長い前髪をかき上げれば、サラリと髪が落ちる。
「聞けば息子の恋愛相手をだまくらかせって言うじゃん？
俺も暇だったし、金くれるって言うなら欲しいし」
黙り込んだ（人１）たちに、彼は笑った。
考えていることが分かったのだろう。
「まぁ、普通の神経じゃねーよな。大金はたいて見ず知らずの人間に、んなこと頼むなんて。
それで興味出たってとこかな」
「それで牧野に近づいたってわけか、でも任務遂行してないんだろ。
なんで種明かししてんの？」
また、彼は笑みを浮かべて、つくしの方へと向いた。
「こっちも計算外、こんなに早くバラすなんて」
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揚羽 - 面白いです!!続編も楽しみにしてますね (2021年6月13日 17時) (
レス) id: c6646fb52d (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます！頑張ります (2018年6月13日 17時) (レス) id: 8ac49be7a6 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - part4移行おめでとうございます。更新頑張ってください応援しています。 (2018年6月11日 14時) (携帯から) (レス) id: 74ccaa5d41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たいやき | 作成日時：2018年6月11日 1時
