第145話 ページ25
「もしもし」
「こんばんは、翔兄さん」
「あ！連絡するの忘れてた！」
「やっぱりそうだと思いました」
「悪りぃ悪りぃ」
海外から日本に帰国してきたのにもかかわらず、連絡がなかったのは、やはり疲れがかなり溜まっていたのだろう。
「丁度、昨日帰ってきてたんだよ」
「今日はさすがに時間ないから、明日にでも何処か行こうか」
「分かりました、楽しみにしてますね」
通話が切れた携帯電話の画面を暫く見つめる（人１）。
彼と会うのは一年ぶりだ。
「お前、もう帰れ！！」
「わー、図星」
道明寺家の屋敷に、響き渡る司の怒声。
今度は滋と言い合い、いや、彼が一方的に怒っている。
滋は、彼をからかって遊んでいるのだろう。
「なんだか楽しそうですね」
「そう見えるか？」
「はい」
3人掛けのソファには美作と桜子が並んで座っている。美作の隣に腰を下ろす（人１）。
「いいなー、あれ私も着てみたいです」
「だめですよ、先輩は何しても目立つので大人しくしててください」
滋の変装(周りから見れば、ただのコスプレだが)は、（人１）に興味を持たせたらしく、羨ましそうに見ている。
「何かあって襲われたら、俺嫌だわ。だから、（人１）は今回待機。滋たちに任せようぜ」
美作は（人１）の腰に腕を回し、諭すように柔らかな表情で見る。
渋々、頷いた（人１）は滋と司に視線を戻した。
「あの二人、意外とお似合いかも」
「俺もそう思う」
「私も同感です」
「あいつの従兄、結構複雑な家庭だったらしい」
司は従兄にコンプレックスを持っているらしい。
自分の家柄や立場が原因でつくしとの仲を引き裂かれ、同じ人間同士が結ばれるのは司にとって気に入らないことだろうと美作は彼の気持ちを汲み取り、（人１）たちに話す。
「あいつにとっては面白くないんだろうよ」
「ふーん、私は良いと思いますけどね。大変じゃないですか？育った環境が違うと価値観も合わないことが多いので」
桜子の意見も納得できる。
だか、それでも司は“牧野つくし”という存在を求めている。彼女以外の人間を受け止めることはできないのだ。
「価値観の違い…」
足元を見つめる（人１）の頭を優しく撫でる美作。桜子に悪気は無いことを知っていても、不安になってしまったのだろう。
（人１）も環境が全く違う人間である准一と一緒にいるのだから。
「あー、清永ちゃんね？
懐かしいわね、あの子今どうしてるの？」
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揚羽 - 面白いです!!続編も楽しみにしてますね (2021年6月13日 17時) (
レス) id: c6646fb52d (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます！頑張ります (2018年6月13日 17時) (レス) id: 8ac49be7a6 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - part4移行おめでとうございます。更新頑張ってください応援しています。 (2018年6月11日 14時) (携帯から) (レス) id: 74ccaa5d41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たいやき | 作成日時：2018年6月11日 1時
