第135話 ページ15
「……俺の顔に何かついてる?」
顔に視線が何度も注がれていることに気付いたのか、彼女たちに質問するが答えることが出来ない。
「君ら、こういうのが好みなの?」
「だめだめ、こいつめっぽう女に手が早いから」
「清永、こんな清純な女子高生を汚すなよ」
「ばーか、清純な高校生なんて今どきいるかよ。いたらこんな合コンやんないだろ」
聞いていれば、彼の声は司よりも低かった。
お互いに自己紹介をする間も、つくしは清永の顔をぼーっと見ていた。
煙草を吸う仕草をすれば、つくしは司が煙草を吸っているように見えて、煙草を取って彼を怒り、清永と司が別人であると、頭が追い付いていなかった。
彼らがドン引きしていても、桜子や滋がフォローしていたが、煙草を奪い取った後に清永はつくしの頭に、グラスに入った水を上からかけた。
つくしが彼を司と勘違いして変な行動をしていたことに変わりないが、水をつくしにかけたことに怒り出した滋は、つくしの肩を抱いて、店を出る。
(人1)たちもついていき、合コンはお開きとなった。
「似てるわよ、滋さんは知らないと思うけど」
滋が店を出る際、清永に放った言葉は「お前なんか、司と大違いだよ」。しかし、つくしや桜子、(人1)は知っていた。司がつくしと出会う前や暴れたときの彼の表情と目つきは、先ほどまで一緒にいた清永に似ていた。滋が司と出会ったのは、つくしの影響で少し雰囲気が柔らかくなった司だった。知らくなくて当然だ。
「道明寺さんってあーいう冷たい目してた時あったもん」
「え〜マジで?」
「今だってたまに見せるじゃないそういう目」
優紀がふと、つくしの姿がないことに気付いた。
「あれ、つくしは?」
「やだ、はぐれちゃった」
「もしかして、透明人間になったとか」
「(人1)先輩、面白くないです」
歩いていた道を戻りながら、つくしを探す。
しかし、一向に見つかる気配は無かった。
「つくし、家にちゃんと帰ったかな?」
「前回のこともあるから心配」
電話を掛けてもなかなか繋がらず、つくしが何処に行ったの分からない。
つくしの強さで男から襲われても、ぼこぼこに殴り返していそうなので、誘拐された心配は無いと思うと断言した(人1)と滋に桜子と優紀は冷静にツッコミを入れる。
「とりあえず、家に帰ろうか」
「皆、つくしから電話があったらすぐ教えてね」
「了解」
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揚羽 - 面白いです!!続編も楽しみにしてますね (2021年6月13日 17時) (レス) id: c6646fb52d (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます!頑張ります (2018年6月13日 17時) (レス) id: 8ac49be7a6 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - part4移行おめでとうございます。更新頑張ってください応援しています。 (2018年6月11日 14時) (携帯から) (レス) id: 74ccaa5d41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たいやき | 作成日時:2018年6月11日 1時