共犯になるまでの日常。【3年A組】

入部届け ページ3

『すいませーん…』



放課後、

一つの部屋にそろっと入った。



部屋では、一人の男の人が、

キャンバスに向き合って絵を描いていた。




「…ん？」


『あ、一年の姫野と言います。
入部届けをもってきたんですけど……』

「あ、ほんと？じゃあそこ座ってもらえるかな」



顧問の先生と思われる人が、

自分の座っている椅子の隣を指差した。



『あ、じゃあ失礼します…』



椅子に座り、先生に入部届けを渡した。




「姫野…Aさん？」

『はい、』


「なんで美術部に？」



え、そんな面接みたいなこと聞かれるの？





『えっと……絵を描くのが好きで、』


「そっか」


『はい』




……沈黙が重い！！！




『…えと、先生のお名前は……』

「柊一颯。今年転任してきたんだ」


『じゃあ、私と同じ一年生ですね』





私がそう言うと、

先生は静かになって私を見た。



…失礼なこと言ったかな。




「…面白いね、君」

『…へ、』




「そうだ、今から時間ある？」

『ありますけど…』


「姫野の絵、見せてほしいな」






急に言われ驚いたが、

キャンバスを置かれ筆を渡され、



絵を描くこととなった。









「姫野上手いね」

『あ、ほんとですか？ありがとうございます』

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