共犯になるまでの日常。【3年A組】

#タイミング ページ20

__3年次




『…せんせ〜』

「ん？」



『先生って高校生の時恋してた？』




事の発端は、クラスでの会話である。




“ ねぇ、Aって好きな人いないの？ ”

“ えぇ…いないよ ”


“ え！？高校生だよ！？いい人いないの？ ”





『高校生って、そんなに恋してるの？』

「…いや、俺に聞かれてもなぁ」



ちぇ、つまんないの。

私は椅子に座って足を組んだ。



『大体恋とかあんまり分かんないし』


「…たとえばだけど」




そう言うと先生は、

眼鏡を取り椅子から立ち上がり、



私の目の前に立った。






先生は私の目線まで屈んで、

私の髪をよけ、頬をする…と触った。




『…先生？』




先生は無言で、私に顔を近づけてきた。




















と、その時、

美術室のドアが開いた。



そこに立っていたのは、逢沢くんだった。



逢「……あ、やっぱ何でもないです」



そう言って、静かにドアを閉めた。










『…先生、さっきのは一体……』


「…さっきみたいなのをされて、ドキドキしたか？」





ドキドキというか、

何をしようとしてるのかよく分からなかった。




「…ふっ、それが分からないならまだ恋は早いな」

『え、なに、馬鹿にしてる？』































「(…逢沢のやつ、タイミング悪すぎだろ)」

もしも→←#美術部

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す