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「あーしんど」
半間はそう言うと、徐に壁にもたれかかり座った。
「あン?どうした?」
「もうオレの負け」
一息つき、半間はそう告げる。
『負け認めんの?』
「あいつならもう今ごろ逃げ切れてんだろ」
“あいつ”
言わなくても分かる。稀咲だ。
『…逃げ切れてる?ふざけんなよ、
アイツのせいでどれだけの人が犠牲になって、
どれだけの人が傷ついたと思ってんだよ、あ"ぁ!?』
「ッオイ!A落ち着け!!」
半間に殴りかかろうとした私を、ケンチンが止める。
『私は自分の意思で芭流覇羅に入った。
けどそれも稀咲に裏でいいように使われてただけだ。
自分のした事が東卍を裏切る行為だなんて分かってた。
でも、アンタと稀咲だけは、絶対に許さないッ!!』
一息で言い切ると、
半間はフゥ、と息をついた。
「…稀咲はオレを楽しませてくれた。
だからオレは稀咲についていった。
殴り足んねぇなら殴れよAチャン。オマエの気が済むまで」
半間は私の目を見て笑った。
「A…」
『…ほんとはもっとぶん殴ってやりたいけど、
私はもう人殺しになるつもりはないから。
でも最後に一発本気で蹴らせてもらうわ』
ゴキッ、と骨のなる音がした。
半間の首に蹴りを一発お見舞いし、
その反動で半間は地面に倒れ込んだ。
『私の前に二度と現れないで。
今度こそ本当の“お別れ”だよ、半間』
返事のない半間から、
後ろにいるケンチンの方へ向き直す。
「…さすがAだな……」
『無抵抗だし本気だと首の骨折れる可能性あるから、
ほんとは7割くらいの力だけどね』
「(あれで7割かよ…マイキーと一緒でバケモンだな)」
なんだか若干引いているケンチン。何故。
『…半間はとりあえずいいとして、
タケミっちのとこ行かないと。稀咲逃すわけには…』
その時、私の携帯に着信がきた。
画面を見ればマイキーからで。
『マイキー?』
「A、聞いてくれ」
_____稀咲がトラックに撥ねられて死んだ。
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重岡ゆう毅(プロフ) - 華まるさん» 華まるさん、ありがとうございます!ぜひ続編もお付き合いください^^ (2021年9月22日 9時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - らっだぁ推しさん» らっだぁ推しさん、ありがとうございます!素敵だなんて…(o^^o)明日には続編出すので、ぜひお楽しみに! (2021年9月22日 1時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - mikkyさん» mikkyさん、ありがとうございます!12年後のお話までは少し間があるので、どんな風になっているのかは、予想してみて下さい( ´-`) (2021年9月22日 1時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - まちゃさん» まちゃさん、ありがとうございます!花言葉は色々ありますが、続きを読むとどれが正解なのか分かると思います(´ω`) (2021年9月22日 1時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
らっだぁ推し - とても素敵な作品でした!p(^-^)q続き、楽しみにしています! (2021年9月22日 1時) (レス) @page36 id: ea31be1e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:重岡ゆう毅 | 作成日時:2021年9月13日 15時