◆97 ページ48
『ぃ"っ＿＿＿＿＿』
殴られるのとも、蹴られるのとも違う痛み。
じんじんと脈打つような痛みに襲われた。
『な、にすんだよ！！』
私は男を突き飛ばし、首筋を押さえて立ち上がった。
薄らと笑みを浮かべ、こちらを見ていた。
「オレは黒川イザナ。
次会う時は本気で壊しにかかるからね」
くるりと踵を返し、歩いて去って行った。
『ったぁ……』
首筋から手を離すと、若干血が出ていた。
“黒川イザナ”
そう名乗ったさっきの奴。
初対面で人の首筋噛む奴がどこにいんだよ。
“次会う時は本気で壊しにかかるからね”
『次、会う時…？』
アイツは私を知っている？
私の記憶を辿っても、
さっきの奴はどこにもいない。
『…イザナ、か』
光の無い瞳。
狂気すらも感じる笑み。
本能が、アイツはやばいと感じていた。
『(“コレ”見られたら、厄介だな…)』
初対面の奴に噛まれた、なんてバレたら、
マイキーに絶対怒られる。
それだけは嫌。
だってマイキーにそんな事する奴だって思われちゃう。
『…ん？』
なんでマイキーにそう思われるのが嫌なんだろ。
仲間だから？昔からの友達だから？
『…ま、いっか』
とにかくバレないようにしないと。
今が冬で良かった。傷隠せれるし。
今日は特攻服で珍しく中はTシャツだったから、
たまたま首筋が見える服だったけど。
それと、イザナの存在はみんなには黙っとこう。
それから家に帰って、
首筋の噛み跡を簡単に手当てした。
消毒液がめちゃめちゃ染みて痛かった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿黒川イザナ。
耳元のピアスがからん、と鳴る音がずっと頭に残っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1304人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
重岡ゆう毅(プロフ) - 夜月さん» 夜月さんありがとうございます！大好きだなんて（ ; ; ）嬉しいです！これからも宜しくお願いしますね(o^^o) (2021年9月11日 22時) (
レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - Chaosさん» Chaosさんありがとうございます！更新は夜が多いですが、なるべく一日に沢山更新出来るように頑張ります^_^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - お餅さん» お餅さんありがとうございます！これからもからも応援宜しくお願いします＾＾ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 重岡ゆうさんの小説大好きです!これからも頑張ってください!応援してます！ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 935b93b187 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2021年9月8日 14時) (レス) id: c7227097e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：重岡ゆう毅
| 作成日時：2021年9月1日 22時
