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退院してから数日、
私は一虎の面会へ行く事にした。

ずっと行けなかった、一虎のところ。







面会室へ通され、
プラ板の向こうの扉から、一虎が入ってきた。

一虎は私を見て、一瞬、目を開いた。







『久しぶり、一虎』

「…久しぶり、」



前に会った時よりも、
だいぶ雰囲気が変わっている。

なんというか、優しくなった感じ。





「…来てくれないかと思ってた」

『ごめん、ちょっと色々あってさ……遅くなった』




今日、私がここへ来た理由。
それは、一虎に報告する為。



『あのね、一虎。私、半間とはサヨナラした』

「!」

『東卍の、総長補佐として、戻ったよ』




真っ直ぐに目を見てそう言うと、
一虎は柔らかく笑った。




「そっか、戻ったんだな」

『うん、今年から正式にね』

「…良かった」




一虎のこんな表情を見るのは、すごく久しぶりだ。




「オレ、今回こそは本当に更生しようと思ってる。
十年は出れないって言われたけど、短いくらいだよな…。
きちんと償って、またいつか、みんなと笑い合いたい」

『…うん。
私も決めたよ、もう逃げないって』



「オレが出所したらさ、また昔みたいに遊びいこう」

『…うん、待ってる』





そろそろ面会が終わる時間だ。
あっという間だな…。





「…それと、A」

『ん?』

「元はと言えば、オレが誘ったのが悪かった。
けど、もうAには危ない目に遭って欲しくない」




先程とは違う、少し強い眼差し。




『…それは、この世界から身を引けって…言ってる?』

「Aの意思が固いのはよく知ってる。
けど、心配してる奴もいること、忘れないで」









 









 









またな、と一虎は笑顔で去って行った。

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重岡ゆう毅(プロフ) - 夜月さん» 夜月さんありがとうございます!大好きだなんて( ; ; )嬉しいです!これからも宜しくお願いしますね(o^^o) (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - Chaosさん» Chaosさんありがとうございます!更新は夜が多いですが、なるべく一日に沢山更新出来るように頑張ります^_^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - お餅さん» お餅さんありがとうございます!これからもからも応援宜しくお願いします^^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 重岡ゆうさんの小説大好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年9月11日 22時) (レス) id: 935b93b187 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2021年9月8日 14時) (レス) id: c7227097e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:重岡ゆう毅 | 作成日時:2021年9月1日 22時

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