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私たちの間に、静かな空間が流れる。



「…ワガママなわけないだろ。
この二年間、オレはずっとオマエを探してた。
やっと、やっと見つけたんだ」

『マイキー…』



「今からでも遅くない。戻って来い、A」






私に手を差し出すマイキー。
その表情は、昔から変わらない、大好きな笑顔だった。









『…東京卍會陸番隊、狼谷A。
この命、東京卍會総長佐野万次郎に預けることを、ここに誓います』



私はその手を取り、ぎゅ、と握る。

すると握った手をぐいっと引っ張られ、
マイキーの腕の中へと収まった。





「…おかえり、A」





耳元で聞こえる、マイキーの声。
優しくて、あったかい。




『…ただいま、マイキー』




私もマイキーの背中に腕を回し、思い切り抱きしめた。




「総長補佐の復活、だな」

「てことは、やっと着てもらえんだな、特攻服」





ケンチンと三ツ谷も、私を見て微笑んでいる。





『っあ"ぁ〜、頭と肩いったぁ』

「パイプで殴られりゃ痛えぇだろ」

『こりゃ暫く動けないわ。ケンチン、おんぶ』

「あ?やだよ」





ケチ!と頬を膨らませる。





「…ははっ、やっと昔のAに戻った」

「ホントだな」



マイキーとケンチンは私を見て笑った。



『…なんなら前の喋り方のままでもいいけどねぇ』

「辞めてくれ吐き気がする」

『いや言い過ぎ』

「…じゃ、帰ろっか」





マイキーと目を合わせ、頷く。

後ろでは大寿と黒髪とアザ男、
それから八戒と柚葉の姿。

きっと、みんなそれぞれで話すんだろう。





『…これで、黒龍は終わったんだねぇ』

「そうだな。でも“アイツ”はずっと心に中にいる」

『…ふふ、そうだね』




さりげなく繋がれた右手が、
真冬の夜に温もりをくれた。









 



 





 









「てか喋り方戻ってる」

『あ、ごめんくせで』

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重岡ゆう毅(プロフ) - 夜月さん» 夜月さんありがとうございます!大好きだなんて( ; ; )嬉しいです!これからも宜しくお願いしますね(o^^o) (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - Chaosさん» Chaosさんありがとうございます!更新は夜が多いですが、なるべく一日に沢山更新出来るように頑張ります^_^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - お餅さん» お餅さんありがとうございます!これからもからも応援宜しくお願いします^^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 重岡ゆうさんの小説大好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年9月11日 22時) (レス) id: 935b93b187 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2021年9月8日 14時) (レス) id: c7227097e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:重岡ゆう毅 | 作成日時:2021年9月1日 22時

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