十人目の柱【鬼滅の刃】弐

伍拾弐話 ページ4

『よっと…』


今日は定期連絡の為に、
皆が寝静まった夜中に屋根上に移動した。



私以外は全員揃っていた。

…我妻くん以外は。







『…宇随さん、我妻くんは？』

宇「善逸は来ない」


炭「えっ…？」




宇随さんの言葉で、
炭治郎と嘴平くんの動きが止まった。



宇「お前達には悪い事をしたと思っている。
俺は嫁を助けたいが為にいくつもの判断を間違えた。
善逸は今行方知らずだ。昨夜から連絡が途絶えてる。

お前らはもう花街から出ろ。階級が低すぎる。
ここにいる鬼が“上弦”だった場合対処が出来ない。
消息を絶った者は死んだとみなす。

あとは俺とAの二人で動く」







鬼にやられた？

蕨姫の仕業か…？






炭「いいえ宇随さん！俺たちは…」

宇「恥じるな。生きている奴が勝ちなんだ。
機会を見誤るんじゃない。

…俺は向こうを見る。
Aはこっちを頼む」


『はい』




そう言うと宇随さんはスッと姿を消した。









炭「っ…」


『炭治郎、貴方達は退きなさい。
二人で太刀打ちできる相手では無いわ。

私と宇随さんに任せて後は＿＿＿＿＿＿＿＿』









刹那、

鬼の気配を強く感じた。





炭「っまさか！」

伊「感じるぜ…鬼の気配をな！！びんびんと！！」



来てしまった。

蕨姫だ。






『…約束しなさい。
危険だと感じたらすぐに退くこと。
勝手に突っ込んで行かないこと。特に嘴平くん。

それと、任務の邪魔だと思ったら強制的に退かせるわよ』



私はそう言い、鬼の気配の元へと急いだ。





　


.








『…いた』


蕨「やっぱり“柱”ね。“柱”が来てたのね、しかも二人も。良かった」



『…蕨姫花魁』

蕨「…残念だわ、雪乃。あんたのこと気に入ってたのに」



『雪乃なんて名前じゃないわ。それに貴女はここで終わりよ』





蕨姫と睨み合っていると、
屋根の下から声がした。


この夜中に何故人が…？


「人の店の前で揉め事起こすんじゃねぇぞ！！」

蕨「五月蝿いわね」



炭「ダメだ、下がってください！！
建物から出るな！！！」




いつの間にか来ていた炭治郎がそう叫ぶも、
蕨姫は何かを振るい、辺り一面に亀裂が入った。

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