十人目の柱【鬼滅の刃】弐

陸拾捌話 ページ20

温泉へ向かっていると、
前から見たことのある人が走って来た。




甘「あーーーっ！Aさんと炭治郎くんだ！！
Aさーん！炭治郎くーん！」


『あら、蜜璃』


炭「！あっ、気をつけて下さい！！乳房が零れ出そうです！！」





蜜璃は気にした様子も無く、
私達の元へ来た。




甘「聞いて下さいよ〜〜！！
私今そこで無視されたんです〜！！
挨拶したのに無視されたんです〜！！」

『あら…それは可愛そう』




私に抱きつき、泣く蜜璃。




炭「誰にですか？」

甘「わからないの〜！名前を聞いたのに無視なの！
酷いと思わない？私柱なのに！！
お風呂上がりの良い気分がもう全部台無し！！」




蜜璃が柱と分かるかどうかは別として、
確かに挨拶して無視は酷い。


というかそれよりも蜜璃の力が強い。


炭「もうすぐ晩御飯が出来るみたいですよ。松茸ご飯だそうです」

甘「えーーーっ！！！ほんとォ！？」



炭治郎の言葉にばっと顔が上げた蜜璃。

そして私から離れた。



甘「あぁ！！すみませんAさん！！」

『いえ、いいのよ。
美味しいご飯を食べて来てね』

甘「はーい！お先に失礼します！」



蜜璃は私達に手を振って、去って行った。





.





『…ふぅ』


温泉にちゃぷん、と浸かる。



暖かくて気持ちいい。






　



　



　









炭「不死川玄弥！！」


『…不死川？』





炭治郎の声が、隣の女湯まで響いてきた。




玄「話しかけんじゃねぇよ！！」








不死川の弟だろうか？

いや、不死川に弟などいただろうか。



…でも声も少し似てた。





よく考えれば不死川は意外と面倒見もいいし、
兄弟がいてもおかしくないか。








…あれ？でも確か……









＿＿＿＿＿＿＿不死川って兄弟とか居るの？


＿＿＿＿＿＿＿なんでお前に教えなきゃいけねんだァ。






＿＿＿＿＿＿＿妹か弟かいるの？


＿＿＿＿＿＿＿俺に弟なんかいねぇよォ。









　






…訳あり、か。

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