十人目の柱【鬼滅の刃】弐

陸拾壱話 ページ13

…誰かの声がする。

…呼ばれている？









宇「＿＿＿＿＿＿＿A！！」

『っ！宇随さっ、ぐ……！』




起きあがろうとすると、
脇腹に激痛が走る。




宇「派手に怪我してやがる」

『っ宇随さんだって……』




宇「＿＿＿＿＿＿＿勝ちに行くぞォ！！！」

『っ…はい！』









身体に鞭を打ち、走る。

身体はとっくに限界を超えている。







少し走ると、
妓夫太郎と炭治郎の攻防戦が見える。



炭治郎に刺さろうとしている鎌を、
刀で弾き受け流した。



炭「Aさん！！」

『遅くなって…ごめん』




にや、と口角を上げ、
妓夫太郎の元へと駆ける。



足が地面に着くたび、
みし、という音がする。







痛い。






叫びたい。









けれど、ここで止まることは許されない。

斬るんだ、あいつの頸を。



妓夫太郎の後ろへ回り、腕を斬る。




妓「っ！？」




『炭治郎！！！』







…斬って！！！！









炭治郎が振るった刀は、

妓夫太郎の頸を斬った。







それと同時に、妓夫太郎の身体が崩れていく。

どうやら、堕姫の頸も斬れたらしい。



我妻くんと、嘴平くんかな。



『炭治郎、よくや＿＿＿＿＿＿＿』









良くやったわね、

そう言おうとした。



だが、









宇「逃げろォーーーー！！！！」




『…ぁ、』








地面から沸く、竜巻の様なもの。

…血鬼術？




その竜巻に身体を持っていかれ、
遠くまで飛ばされた。





また投げ出された身体。


もう、意識も殆ど無いに等しい。




痛い。









＿＿＿＿＿＿＿A。









『…母様？』









＿＿＿＿＿＿＿A。









『…父、様』









…あぁ、これが走馬灯というやつか。








死に際に二人に逢えて、









『…良かっ＿＿＿＿＿＿＿』









　








　









良かった。

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