あなたの前では異能力が使えない【文スト】【名探偵コナン】

23話(過去編) ページ24

暗く寂れた町を歩く。何も履いていない足からは血が流れ足跡を作る。


お母さんが昔言っていた。頑張って生きている人は｢天国｣に行ける。


悪いことをしたら地獄に行く。


｢天国｣はお花が咲いていたり前に死んだ人と楽しく暮らせるらしい。


死んだ人ってお空の星になるんじゃなかったっけ。


まぁいいや。


今日もその｢天国｣を探して歩き続ける。



綺麗で素敵な場所。




でも｢おうち｣から勝手に抜け出してきちゃったからこんな寒くて痛い思いしか出来ないのかな。

ほんとは地獄に向かってるのかな。




｢おうち｣では色んなことをされてきた。注射は毎日。寝ている間に手術みたいなのをされて起きたら体中が痛かったなんてことはよくあった。

検査ばかりでボクは色んな｢力｣をだした。



前にいきなりすぎて私もよくわかんなくなって検査していた人を何人か殺してしまったことがある。



その度ボクは優秀な実験体だから大丈夫と言われたけどきっとそれも悪いことだったんだ。


生きていなくていいから早く地獄でも天国でも行きたい。




『あ...。』



桃色の花が咲いていた。小さな一つ一つの花がまとまってきれいなピンク色の影を落としていた。



『これが、天国？』


きっと違う。でももうすぐでボクは力尽きる。そしたら天国じゃなくてもこんなきれいな場所を最期に見て終われるんだったら｢おうち｣を出てきた甲斐が有る。


初めて｢おうち｣を出て、人を殺しても味方したあの人たちを振り切って殺して、天国も地獄も見つけられなかったけれど、まぁ、いっか。




横目で花弁が舞い、散っていったのが見えた。

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