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14話 ページ15

in武装探偵社・敦side_______________


「今日は東都の方へ少し遠出するぞ。」

国木田さんが僕に話しかけてきた。今日も今日とて理想と大きく書かれた手帳を持っている。

「了解です。でも、なぜ?」

「最近、優秀な異能力者を求めて事件を起こす厄介な輩が東都に組織を構えているらしい。何の目的で集めているのかは分からないがな。」

「なんで事件を起こすことで異能力者を集められるんですか?」

「事件に巻き込まれたら、しかも命に関わるような事件に巻き込まれたらとっさに自分や周りを守ろうとする。そして異能力を使う。
そしたら異能力者を炙りだすのは容易なことだ。そんな危ない現場で使える戦闘向きな異能力者を求めているのだろう。って感じだよ敦くん。」

「太宰の言う通りだ。このくらいは自分で考えられるようになれ。」

いつの間にかそばに来ていた太宰さんが説明してくれた。国木田さんの一言には少し沈むが太宰さんぐらいまでとはいかずとも頭脳の方も鍛えたいと思っているこの頃だ。


「今日は俺と谷崎、太宰、そしてお前の4人で行く。10時までに準備を完了させておけ。」

「分かりました。」



ふとこんな早い時間から太宰さんがいたことに気づいた。普段はもっと遅いし、仕事に積極的ではない。

(それが太宰さんらしいという所でもあるけれど)

少し眠そうに何をするでもなくただ椅子に座っていた。

「太宰さん、今日早いんですね。」

「あぁ。少し東都で気になったことがあってね。」

「それは今日の仕事に関わることですか?」

「関わるかもしれないし関わらないかもしれない。私としては、関わって欲しいものではあるけれど、ね。」


そう喋る太宰さんはいつもの飄々とした雰囲気ではなく、なぜか切なさを感じた。

太宰さんも人間だし何か悲しい事でもあったのかもしれないし、ただもう全てを見通しているのかもしれない。そう思ってそれ以上は話しかけなかった。

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夕李(プロフ) - 双黒最高か!!!さん» 更新遅くなってすみません!気長に待っていただけると嬉しいです。よろしくお願いします! (2020年9月13日 14時) (レス) id: a1ecf080dd (このIDを非表示/違反報告)
夕李(プロフ) - 苑歌さん» ありがとうございます!更新ほったらかして3ヶ月が経っていました...申し訳ないです。これからもよろしくお願いします (2020年9月13日 14時) (レス) id: a1ecf080dd (このIDを非表示/違反報告)
双黒最高か!!! - 更新待ってます(´TωT`) (2020年9月2日 17時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
苑歌(プロフ) - 話が好きすぎるのですが!いいですねぇ。応援しています! (2020年6月10日 22時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
夕李(プロフ) - 恋成さん» 尊敬だなんて…!!ありがとうございます!過去編長く続きますがよろしくお願いします! (2020年5月18日 0時) (レス) id: a1ecf080dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕李 | 作成日時:2019年11月30日 16時

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