【イナクロ】～あの人の姉はエルドラドにいる優しいのかわからないウザい系少女でした～ (ページ36)

今日:15 hit、昨日:4 hit、合計:70,351 hit

三十四個目の消去ページ36

｢A!君には聞きたいことがある!｣

『あらフェイさん、まだ諦めてなかったんですね』

どうやらフェイさんはサッカーフィールドの外に出されてしまったようで

今回ばかりは蚊帳の外みたいです

｢僕は簡単に諦めるわけには行かない!｣

『…そうですか。ですが今はそれどころじゃありませんから』

とりあえず任務遂行のフリくらいはしなくては
マスターはかなりお怒りだ

『それでは……ゲームスタート♪』

マスターが私はバトルに参加するなと言うので、今日は審判

理由は、なんとなくわかるけれど

＊

まずは雷門が上がっていく

「錦!」

「ロボットなんかに負けるわけには行かんぜよ!!」

ここのロボットを舐められたら困る
だって"サッカーバトル専用ロボット"、だから

《ブリッツブリッジ》

「うわぁぁ!」

｢ロボットが必殺技を…!?｣

そしてボールは外へ飛び出てしまった

だけどそこから試合は一進一退…
とったりとられたりの繰り返し。

『…面白くありませんねぇ…』

そう呟いた私に、フェイさんが声をかけてきた

｢…どうして君は参加しないの?｣

『さあ?マスターの命令なので』

｢……｣

彼がとても不服そうだったので、少しだけ答えを上げることにした

『まあ…この時代で私が単独で目立つ事をすると、困るんだと思います』

｢…?｣

『彼らに居場所を、告げるようなものですから』

｢彼ら?彼らっていった……｣

『あら、よそ見は禁物ですよ!試合の流れが変わります』

それ以上の追求は困るので、彼の言葉を遮った

＊

「よし、いまだ天馬!!」

天馬さんにボールが回る

「天馬!お前が決めろ!!」

「この一点…必ず取る!!

魔人ペガサスアーク!＿＿＿＿＿アームド!!」

『!!』

あぁ、やっぱり

『…完成…してたんですか…』

彼らはどんな困難も乗り越えていく

あぁ、やっぱり

私達は彼らに勝てないのだろうか

天馬さんを止めようとするロボットたちは、次々に壊れていく

『……』

「はああぁぁ!!」

『!』

化身を纏った彼のシュートを、ロボットは止められなかった

『あーあ…ゲーム終了、ですか』

私はロボットたちを見下ろして、そっとつぶやいた

『……ごめんなさい』